地震災復旧に全力 中田克哉道水産林務部長インタビュー

2019年08月25日 12時00分

力強い本道林業へ担い手養成

 道水産林務部長に6月1日付で就任した。明治以降で最大規模の林地崩壊が発生した北海道胆振東部地震からの一日も早い復旧・復興に全力を注ぐと意気込む。気候変動や自然災害により現状が変化している林業・水産業の振興をいかに進めていくのか、考えを聞いた。(建設・行政部 仲道 梨花記者)

中田克哉道水産林務部長

 ―就任の抱負を。

 新しく就任した鈴木直道知事は、地域で働く道庁ということを掲げている。総合局・振興局が中心となって、地域の現状や困っていること、必要なものなど現場の声を聞いて伝えることを心掛けたい。

 ―本道の林業と水産業の現状をどう見ているか。

 林業は、トドマツやカラマツ人工林が利用期を迎えている。伐採と植林を繰り返し、資源を循環利用しながら力強い林業木材産業をつくる必要があると考える。2020年には北の森づくり専門学院が旭川に開校する。実践的な研修を実施し、すぐに活躍できる人材を育成したいと考える。本道林業の魅力やカリキュラムの魅力を伝えて担い手を養成していきたい。

 水産業は昨年、太平洋のイワシやオホーツク海のホタテが回復したことによって、漁獲量が3年ぶりに100万㌧まで回復したが、まだ低位にある。噴火湾の養殖ホタテを中心としたへい死問題もあり、生産量が落ちている。ホタテ養殖については、協議会を立ち上げて原因究明や養殖技術の改良のほか、養殖マニュアルを作成し、漁業者を指導して回復を図る。

 ―道産CLT(直交集成材)普及に向けてどう取り組むか。

 カラマツは赤み、トドマツは白さという特長があり、色のバリエーションを使った新たな使い方ができると考えている。軽くて強度が高く、施工性もいいので新たな資材として使ってほしい。一方で、価格が高いという課題がある。価格を下げるためには、需要を増やし、供給体制も整備しなければならない。3階建て以上の高層階でも使える資材なので、そういった使い方もあるとPRしていけば、需要と供給が増え、価格も下がるのではないかと考えている。

 ―胆振東部地震で大規模な林地崩壊が発生した。

 崩壊範囲は4300haと広範囲で発生し、林業被害額は511億円にも上る。現在は、民家が近くにある箇所の復旧を優先的に進めているが、奥地については、林道も整備する必要があり、長い時間がかかるため、しっかり進めていかなければならない。2定補正予算では、緑化に向けて、どのような施工方法がいいのか検証するための費用を計上した。そのままで木が生える場所もあれば、盛り土をしなければならない場所もあり、試験区をつくりながら、どの樹種がいいのかを検証していく。

 また、人手不足により工事の入札が難しい所も出てきているので、計画的に進めていきたい。発生した倒木についても、資材として使えるように被災現場から土場に搬出して、持って行けるように協定を結んだ。木材産業の振興も図りながら復旧・復興に努める。

 ―建設業に期待することは。

 胆振東部地震でも強く感じたが、建設業は地域の安心安全を守る役割を担っており、なくてはならない存在。建設業者が長く続けていくためには、きちんとした発注や予算を確保して、計画的に経営できるようにしていく。

 担い手不足が課題となっている。技術者を確保するためにも計画的な経営が必要となる。外国人労働者がどこまで入ってくるのか不透明だが、きちんと経営できないと人も雇えず、重機の更新もできない。市町村とも連携して建設業を守っていく。

 中田克哉(なかた・かつや)1961年3月5日生まれ、58歳、女満別町出身。84年に北大水産学部を卒業し道庁入り。2015年水産林務部水産局長、16年根室振興局長兼北方領土対策根室地域本部長、経済部食産業振興監から現職。

(北海道建設新聞2019年8月22日付1面より)


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