札幌市とJR北海道が計画する北海道新幹線札幌駅前の再開発ビルについて、駅舎と北5西1、西2の両街区を面的に連続させた一体的なビルとして構想していることが8月30日までに分かった。再整備するバスターミナルは西1に都市間路線、西2に市内路線を分散配置する。両者は年内に再開発準備組合を設立。2022年度の都市計画決定を経て、29年秋の完成を目指す。
北5西1[MAP↗]、西2の両街区再開発について両者は、道都の玄関口にふさわしいシンボル的な拠点の創出を計画。市有地で青空駐車場の西1街区とJR北海道の商業ビルにバスターミナルを併設した西2街区の「エスタ」を再開発し、高機能な空間形成を図る考えだ。
国際水準のホテルや高度なオフィス、にぎわいを生む商業機能などを想定。西1街区の再開発ビルは街区全体を使った超高層のタワービル建設を見込んでいる。
市が策定作業を進めている北5西1、西2地区再開発基本構想案では、両街区の再開発ビルについて、街区を分断する西2丁目通の上空を含め、新幹線駅舎から面的に連続した一体的なビルとしての整備をイメージしている。
再整備するバスターミナルは、西2街区の建て替えビル1階に市内路線用を配置。都心アクセス道路の整備計画がある創成川通沿いの西1街区の新ビルに都市間路線用を設ける。バス待合所は両ターミナルにアクセスしやすい西2丁目通上空の空間に配置する考えだ。
積雪寒冷地の特性を踏まえ、ビル内には新幹線利用者の乗り継ぎ施設など吹き抜けを持った開放空間を複数配置することをイメージ。2階や地階に通路を設けて新幹線駅からバスターミナル、地下鉄、JR在来線の各交通や周辺街区を切れ目なく移動できる歩行者動線を構築する。
市は2日、これらの方向性を再開発基本構想案として市議会に報告する。再開発の具体化や整備に当たって民間事業者の参画を求める方針だ。