美唄市の板東知文市長は、3日に開会した第3回定例市議会で、現在中断している市立美唄病院建て替えの実施設計について、実施設計業者と契約解除する考えを明らかにした。今後は病院建て替えの新たな計画を策定するため検討会を設ける考えだ。
市立美唄病院[MAP↗]を巡っては、建設から50年以上が経過し、高橋幹夫前市長の下で建て替えに向けた計画が進められていた。ただ、事業費については当初示していた約35億円から、資材価格の高騰などにより最終的に約43億円にまで増加した。一体で整備する予定だった保健福祉総合施設建設も合わせると事業費は約50億円となる見通しとなった。
こうした事業費の拡大に、市議会や市民からも建て替えに慎重な意見が出され、ことし5月には当初の計画を縮小することが決まったが、その後は設計業務を中断せざるを得ない状況になっていた。
そんな中、6月の市長選で、病院建て替え事業の見直しを公約に掲げていた板東市長が当選。板東市長は50億円を超える総事業費は、少子高齢化・人口減少が進む同市では将来的に市民の負担が大きいことなどを理由に、計画見直しを訴えていた。
板東市長は、3日の市政報告の中で、現在の実施設計業者との契約解除を表明するとともに、病院建て替えの新たな計画案策定に向けた検討会を庁舎内と病院内に設置する考えを示した。