胆振東部地震1年 日高幌内川などの復旧工事順調に進む 

2019年09月05日 18時00分

 胆振総合局は4日、報道機関を対象に北海道胆振東部地震で被災した厚真町内の復旧現場を公開した。同局や町の担当者が、地滑りにより土砂ダムが発生した日高幌内川など4現場を案内。むき出しの斜面は被害の大きさを物語るものの、震災から1年経過して、復旧が順調な印象をうかがわせる。

 現場公開は、胆振東部地震の発生から6日で1年が経過するのを前に、被災した箇所の復旧工事の進捗(しんちょく)状況を紹介するため同局が企画した。報道機関から約20人が参加した。

 最初に訪れたのは、林務課発注の東和地区災害関連緊急治山の現場。地震の影響で崩れた法面を修復する事業で、斜面に作業員が上り、法枠の施工に当たっていた。

 農村振興課が発注し、高丘地区で進めている農業用施設災復の現場では、農地に大量に流れ出た堆積土砂を撤去し終えていた。担当者は「営農に支障がないよう、地域の方と調整しながら進めており、順調に進んでいる」と説明した。

 周辺の斜面が崩壊し被災した富里浄水場では、室蘭建管が斜面対策と堆積土砂の除去などを進め、町が浄水場本体の復旧を担う。町の担当者は「2020年5月には本復旧が終わり、運転調整を経て、同8月から給水を再開したいと考えている」と見通しを示した。

ポンプによる排水が続く日高幌内川上流部の土砂ダム

 最後に訪れたのは室蘭建管発注の日高幌内川上流部の災害復旧現場。地滑りにより河道が閉塞(へいそく)して土砂ダムが発生した箇所で、ダム内の水を排水する作業を続けていた。担当者は、町内などで発生した札幌ドーム2個分に上る330万㎥の土砂を、土砂ダムに搬入すると説明。順調に進めば20年度末までに完了する見通しだ。

 室蘭建管の通岩公地域調整課長は「多くの事業を実施しているが、連携を取りつつ順調に進んでいる。一日でも早く復旧できるよう進めたい」と今後を見据えていた。


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