小石川さんは道内女性初
2019年度前期のブロック建築3級技能検定で、札幌工科専門学校環境土木・造園施工管理科造園コースの小石川にれさんと菊田一聖さんが合格した。小石川さんはブロック建築3級で女性として道内初の合格者となった。2人は札幌市内にある造園会社コクサクの社員で、企業委託生制度を活用して同校にことし入学。知識や技術の習得に励んでいる。
同校では前年度に初めてブロック建築3級の合格者を出している。ことしの試験対策も前年度と同様、北海道メーソンリー工事業協会の秋田谷三雄専務理事から、5―7月に週1回ペースで実技指導を受けた。
学科は、同校の教員が過去問を提供するなど支援。さらに、それぞれが得意とする学科、実技を互いに教え合い、試験勉強に取り組んだ。
小石川さんは「練習でもしっかりやれたので、本番も心配なく取り組めた」と語る一方、菊田さんは「実技は自信があったが、学科の自己採点があまりよくなかったので合格してほっとした」と笑みをこぼす。
2人は岩見沢農高を卒業。小石川さんは造園業に勤めていた祖父の背中を見て同じ道を歩むことを決め、菊田さんは自分の活躍できる場を手にしたいと考え、造園の世界に飛び込んだ。
将来について、小石川さんは「大きな現場などを担当したい。そのために勉強を頑張る」、菊田さんは「仕事を通じて会社や社会に貢献していきたい」と夢を描く。まずは10、11月に挑戦する土木と造園の施工管理技士の学科試験合格に向けて気を引き締めるという。
2人を学生として送り出したコクサクは、採用拡大と社員教育の強化に取り組むため、企業委託生制度を活用した。
早坂有生社長は「せっかく入社してくれたのならば、この道のプロとなってほしい。学校で学ぶことによって実務だけでなく、資格や知識を身に付けてもらえれば」と期待を込める。
普段通学している2人の様子については、報告書などを通じてどのような技術や知識を学んでいるかなどを知ることができ、学校と連携して成長を見守ることができる。
2人には期待を寄せ、「特に小石川さんは、今後造園業界で活躍する女性のモデルケースとなって、この業界を目指す人が増えてくれれば」と語る。
同校の企業委託生制度は14年度からスタート。年々学生数が増加していて、19年度は入学者59人のうち企業委託生が32人に上る。
岩瀬聡造園緑地科長は「一般の学生よりも将来をはっきりと見据えている部分もあり、意識を高く持って取り組んでいる学生が多い」と印象を語る。
(北海道建設新聞2019年9月20日付3面より)