中心市街地以外で初 景観配慮や防災面強化狙う
釧路市は、阿寒湖温泉地区で市道の無電柱化を検討している。観光客が多い温泉街のメインストリートである阿寒湖畔中央道路などの電線類を地中化することで、景観面や防災面の強化を狙う。2019年度中に実現の可否を判断する。
市内では釧路開建による国道の一部を対象とした無電柱化工事が始まっているが、実現すれば中心市街地以外で初となる。阿寒湖温泉地区は国内外からの観光客が多く、観光立国ショーケースなどさまざまな観光施策を推進する市としても重視するスポットだ。
対象となるのは阿寒湖温泉1丁目から5丁目にかけての阿寒湖畔中央道路と阿寒湖畔道路の計1150m。この区間は車道2車線の両側にインターロッキングブロック舗装の歩道が整備されており、総幅員は最小で12m、最大で20mとなっている。
沿道には鶴雅グループなどの大型温泉ホテルや民宿、飲食店、多目的施設の阿寒湖まりむ館[MAP↗]が立地し、地区の中でも観光客の通行が多い。このため無電柱化の要望は以前からあった。
市は6月に電線共同溝予備設計を入札し、北海道近代設計が税抜き828万円で落札。3月中旬までを契約期間とするこの業務の中で、現況の歩道幅員で無電柱化が可能か、埋設されている水道管、下水道管、温泉配管などの切り回しができるかを見極め、事業化を判断する。
事業化する場合はまず地元住民や事業者、電線管理者らとの調整が必要となることから、来年度予算に実施設計費を要求するかどうかは現時点で固まっていない。
所管する道路河川課では「やると決まればできるだけ早く実現させたい」と話すが、観光事業者への影響を最小限に抑える必要があり施工できる時期が限られるため、工事には複数年かかるとの見方も示している。