リスク管理の合理化を 改正土壌汚染対策法で講演会

2019年10月03日 15時00分

応用地質・門間技師長らが解説

 北海道新幹線札幌延伸に伴うトンネル工事などで土壌汚染対策に関心が集まる中、北海道環境保全技術協会は9月27日、土壌汚染対策法(土対法)の講演会を札幌市内で実施した。応用地質(本社・東京)の門間聖子技師長らを招き、改正土対法について理解を深めた。2018、19年の第2次改正はリスク管理の合理化がポイントで、より実務に即した法改正となったことを学んだ。

第2次改正のポイントなどで理解を深めた

 土対法は人の健康に悪影響が出ないよう、土壌汚染のある土地の適切な管理方法を定めた法律。03年に施行し、10年に第1次改正が進められた。その後、適切かつ合理的なリスク管理の推進から、18年と19年の2段階に分けて第2次改正が施行された。

 有害物質は、地下水の環境基準で定められた物質を中心に重金属や農薬、PCBなど27物質を指す。基準値は、地下水などの摂取による溶出量基準と、口や皮膚から直接摂取する含有量基準がある。うち含有量基準は重金属など第2種特定有害物質のみに適用する。

 調査が必要なケースは4つある。1つは有害物質を使う施設を廃止する場合。2つ目は3000m²以上の形質変更時(有害物質を扱っている施設の土地は900m²以上)。3つ目は都道府県知事からの調査命令、4つ目は区域指定の自主申請時となっている。

 汚染があると区域指定を受ける。健康被害の恐れがある場合は要措置区域として措置の実施が指示される。健康被害の恐れがない場合は形質変更時要届出区域となり、掘削を伴う形質変更時に汚染の拡散を防ぐ措置が求められる。

 ここで示す措置について、門間技師長は「健康影響を及ぼさない状況にするのが第一で、必ずしも掘削除去や浄化しなければならないものではない」と説明。「敷地境界から汚染が拡散していないか、モニタリングし続けることも選択できる」と解説した。

 形質変更は、対象地の中で進める盛り土や掘削などを指す。うち1カ所でも深さ50cm以上を掘削する場合、盛り土と掘削を合わせて一定面積を超える際は届け出の対象となる。表土ではなく舗装を撤去する場合も、おおむね形質変更と見なされるという。

 建設業での形質変更のうち、トンネル工事のような地下掘削は開削部分を平面図に投影した範囲(坑口部分)が対象となり、シールド工法による部分は該当しない。

 しかし、同一事業用地内で切り土区間があり、ひとくくりで3000m²超の場合は届け出対象となる。

 第2次改正では、リスク管理の合理化がポイント。形質変更時の調査対象とする深度は、掘削深度プラス1m(最大10m)とすることが可能になった。深さ3mのところに汚染の恐れが生じた箇所があったとしても、掘削深度が0・5mの場合は調査対象は1・5mとなり、深さ3mのところを対象にしなくても良いという考えだ。

 処理業の関連は、汚染土壌処理施設に「自然由来等土壌利用施設」が追加された。自然由来の土壌を土木構造物の盛り土材として利用したり、海面の埋め立てなどに利用する施設を示す。

 門間技師長は「河川の改修や拡幅などで3000m²以上の掘削をする場合も形質変更による届け出が必要になる。公共工事に携わる人は注意してほしい」と話していた。

 講演会には協会員140人余りが参加。道環境生活部の渡辺明主査は「北海道庁での土壌汚染対策法に関する手続きなど」について講演した。


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