不動産投資会社のパーフェクトパートナー(本社・札幌)が、白老駅北側の白老駅北観光商業ゾーンで計画するホテルの建設を断念した。町は「断念受け入れは苦渋の選択」としつつ、「昨年11月に策定した基本計画通り、ぶれずに進める」とし、事業者が参画しやすいように条件緩和を視野に再公募を検討している。
計画では白老町若草町1丁目の白老駅北観光商業ゾーン(1・5ha)のうち、約5000m²を民間活力導入区域に設定。3区画に分割し、飲食・物販、宿泊施設整備などを担う事業者を募集した。
このうち1区画を事業候補者のパーフェクトパートナーと5月7日付で協定を締結。11月6日までに定期借地権契約を正式に結ぶことになっていたが、9月20日に同社が協定解除を申し入れた。事業縮小などが理由だという。断念により民間活力導入区域への参入事業者はゼロになった。
残り2区画を1区画にまとめた2次募集では、1社の応募があったものの審査が通らなかった。
応募が少ないことに対し、町は多額の投資額に見合った採算性や、2020年4月に開設される民族共生象徴空間(ウポポイ)の国が掲げる年間来場数100万人に、懐疑的な事業者がいるためではないかとみている。
同社が計画していたホテルは白老の文化、自然との共生をテーマに掲げる。アイヌの美術品や工芸品を展示販売するアイヌミュージアムなどで構成。規模はW造、2階、延べ約1000m²で20室とし、総事業費に約2億5000万円を見込んでいた。
一方、町が白老駅北観光商業ゾーンの行政整備区域に新設するインフォメーションセンターは、20年4月の運用開始を目指し、予定通り工事を進めている。(苫小牧)
(北海道建設新聞2019年10月2日付2面に掲載)