世界最高の特殊鋼棒線基地へ
日本製鉄は1日、改修を終えて9月4日に稼働開始した室蘭製鉄所[MAP↗]の第5コークス炉西炉の完成式を開き、同炉を報道機関に公開した。式には同社社員、工事関係者ら95人が参加。新炉完成を契機に無事故無災害を決意するとともに、世界最高基準の生産体制構築を誓った。
コークス炉は、鉄鉱石から銑鉄を作る際に必要となるコークス(石炭を蒸し焼きにして固めた物体)を作製する炉。室蘭製鉄所には第5コークス西炉・東炉と、第6コークス炉の3炉団がある。
生産能力は西炉が28万㌧など合わせて年間約100万㌧に上る。
それぞれ耐用年数の40―50年を迎え、生産能力の低下などが見られたため、東炉は2011年、第6炉は07年に改修。西炉は18年4月に解体、同12月から築炉を始め、ことし9月に完成した。設計、施工は同社グループの日鉄エンジニアリングなどが担った。
完成式では神事を執り行った後、室蘭製鉄所の米沢公敏所長があいさつ。20年に予定している鉄鉱石から銑鉄を作る高炉の改修に触れながら、「今後は世界最高の特殊鋼棒線基地として飛躍したい」と抱負を述べた。
(北海道建設新聞2019年10月3日付11面より)