厚真町は、北海道胆振東部地震からの早期復旧に向けた取り組みなどを示す、復旧・復興計画の第1期案をまとめた。住まい・暮らしの再建に重点を置き、被災した町民の恒久的な住まいの確保を目指す。12月にも災害公営住宅に着工するほか、新たな公営住宅の設計に着手する予定。各分野の専門家が住宅再建をサポートする、町独自のプログラムも打ち出した。
7日の町議会北海道胆振東部地震復興特別委員会で示した。
復旧・復興計画期間は2019―25年度の7年間。住まい・暮らしの再建、しごと(なりわい)の再生、災害に強いまちづくり―を基本方針に掲げ、第1期から第3期までの3段階で進める。
第1期は、基本方針の中でも特に緊急性、優先度が高い住まい・暮らしの再建に重点を置き、公共交通やインフラなどの環境整備、保健・福祉・教育などの充実に努める。
住まい再建に向けた取り組みでは、地震で住居が全壊し、り災証明を受けた町民や高齢者など住宅の自力再建が困難な被災者を対象に災害公営住宅を整備する。木造の低層長屋形式とし、新町に20戸、本郷に8戸、上厚真に4戸を建設。間取りは2LDK(28戸)と3LDK(4戸)を予定し、アトリエアクで実施設計を進めている。20年10月の完成を目指す。
災害公営住宅の入居基準に該当せず、自己資金での住宅確保が困難な人を対象として、市街化区域内に公営住宅の建設を計画。被災者の意向調査などを踏まえて、必要な戸数や建設場所の検討を進めている。20年10月の完成を予定する。
このほか、町独自の支援策として「仮称あつま型住まい再建プログラム」に取り組む。行政、建築技術者、宅地建物取引士、金融機関、ボランティアセンターなどで構成するサポートチームが、相談案件ごとに専門的、多面的に助言する。
20年3月末をめどに策定する第2期計画には、復興理念や重点プロジェクトをはじめ、分野別の取り組み、復興後の将来像を示す土地利用計画、地域再生計画を盛り込む。