アサヒビール(東京都墨田区吾妻1丁目23の1、塩沢賢一社長)は、ニッカウヰスキーの余市と宮城峡(仙台)両蒸留所の生産設備増強に約65億円を投じる。余市では貯蔵庫の新設を計画。今後施設規模を固め、2020年度の着工、21年度の稼働を予定している。
アサヒグループホールディングス(本社・東京)によると、15―17年度に約60億円を投資してニッカ全体の生産体制を増強し、17年度以降に15年度比で約80%増の原酒増産をした。
しかし、ウイスキー市場の急拡大に伴う原酒不足により、竹鶴などのプレミアムウイスキーは14年度から生産調整が続いている。今回の設備投資により、22年度以降の原酒製造能力は18年度比で20%増加する見込み。
余市[MAP↗]では、貯蔵庫1棟を新設して箱詰め前の原酒タンク1基を設置するほか、運搬用タンク8基の保管場所とする考え。完成後は、1990年代後半以来の昼夜2交代勤務を実施し、原酒生産能力を現行の2・7倍まで高める。
先行して着工した宮城峡はグレーンウイスキー増産に向け、カフェスチルの蒸留工程を一部自動化し、生産工程の効率化を図る。