来春から阿寒町でイチゴの水耕栽培 夢の杜ファーム

2019年10月20日 09時00分

直売所やカフェも構想

 長江建材グループの夢の杜ファーム(本社・釧路市、長江文男社長)は2020年、釧路市阿寒町の阿寒市街地入り口に位置する旭町地区[MAP↗]でイチゴの水耕栽培事業に乗り出す。

阿寒町旭町に建設した1棟目のハウス

 1棟目のハウスはほぼ完成。来年は3月に苗を植え5月に収穫を始めつつ、2―4棟目の建設に向けた準備も進める。将来的には直売所やカフェ、宿泊施設などの整備も構想しており、道横断道阿寒ICからすぐという地の利を生かした地域活性化と、グループとしての収益多角化を目指す。

 夢の杜ファームは、ことし4月に「夢の杜」から改称。もともとは長江建材(本社・釧路市、長江孝文社長)の相談役である長江文男氏が、近隣に所有する土地で泉温28度、湧出量毎分300㍑の温泉を掘り当てたことから、この活用を図るために子会社の綜合設備(同、亀岡孝社長)との共同出資で設立した。

 その後の検討で農業分野を核に据えることを決断。市場調査などを重ね、本州方面では気温上昇により夏イチゴの供給量が落ちている、阿寒地区は冷涼で内陸にあるため霧の影響も受けづらい、他の作物栽培より少人数で生産できる―などの理由から夏イチゴにターゲットを絞り込んだ。

 このほど1棟目となる縦96m、横12mのハウスを阿寒町旭町3丁目36の6に自費で建設。50m程度までの風速と、屋根上50cm程度までの積雪に耐える角パイプ構造で、温度、湿度、照度、CO、給水・施肥をコンピューター管理する誠和社製の自動環境制御栽培システムを導入した。

 2重遮光シートや屋根・壁面の開閉、送風機、暖房などで常にハウス内をイチゴの生育に最適な温度に保ち、適量の肥料を混ぜた水やCOを与えて高効率栽培を実現する。栽培品種は病気に強く、果肉の内部も赤くなる「赤い妖精」。

 当面は1棟当たり年間5―6㌧、最終的には4棟で32㌧の収穫を目標に掲げる。地元のスーパーや菓子店、飲食店などに出荷するとともに直売も実施し、規格外品による加工品生産にも取り組む考えだ。

 当初はパートを含め3人、4棟に増えたら6人程度の体制とし、おおむね3月に苗を植え、5月の連休明けからクリスマス需要がある12月中旬まで収穫。暖房費がかさむ冬の間はハウスや機械の点検・整備や加工品製造などに当たる。

 2―4棟目は1棟目と同規模で計画し、制御システムは1棟目のものを共有する。整備に当たっては農林水産省の補助金を申請する方針で、22年度までには増設を終えたいとしている。

 19日には関係者約30人を招いて竣工式を開く。

(北海道建設新聞2019年10月18日付7面より)


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