道は21日、道庁別館で2019年度3回目の公共事業評価専門委員会(委員長・内田賢悦北大大学院工学研究院教授)を開いた。事業採択から5年以上経過したものなど29地区を再評価し、事業の必要性や進捗(しんちょく)状況、費用対効果から総合的に判断し、全地区の事業継続を妥当と認めた。総事業費が131億円に増えた名寄遠別線改築や、釧路川大規模特定河川・広域河川改修などが対象になった。
再評価は事業採択から5年以上経過した地区のほか、事業期間が長い地区はおおむね5年ごとに実施。事業費が10億円以上増減した地区も委員の判断で再評価する。今回の対象は全て建設部が進める地区だった。
名寄遠別線改築は、当初から総事業費が約84億円、前回再評価からも16億円増加した理由が問われた。建設部の担当者は、切り土法面勾配や橋梁形式の変更、土石流対策の追加などを主な要因に上げた。委員は、自然災害時の代替ルート確保や救急搬送支援の観点から事業の必要性を確認。完了年度が遅れているため、これ以上の遅延がないよう求めて継続を認めた。
審議地区の釧路川大規模特定河川・広域河川改修では、防災拠点となる釧路町役場が浸水する可能性がある現状に委員が危機感を示し、事業完了の26年後までこうした状態が続くことは容認できないとも発言。事業の必要性は認めたが、アイデアで浸水対策を講じるよう要請した。
北海道建設新聞の2019年10月23日付1面から抜粋。本紙では公共事業再評価対象地区の①完了予定年度②工事概要③総事業費④進捗率を掲載しています。