釧根で輝く女性たち

 女性の社会進出が叫ばれて久しいが、過酷な自然環境下で力仕事を伴うことが多い建設関連産業は、いまだ男性中心の職場から脱しきれていないのも事実。それでも以前に比べれば現場への女性専用トイレや更衣室設置などが進み、受け入れ環境は整いつつある。

 釧根管内で活躍する女性技術者・技能者たちに、この道に入ったきっかけや会社の対応、要望などを聞いた。

釧根で輝く女性たち(2) 太平洋設備 川端望さん

2019年11月12日 18時00分

自分から提案できる技術者に

 配水・浄化施設や空調衛生設備などを手掛ける太平洋設備(本社・釧路市、小茄子川充社長)で設計・積算を担当しているのが土木水道事業部・技術センター主任の川端望さん。

川端望さん

 羅臼町出身の川端さんは高校入学を機に釧路市へ。体を動かすことが好きで高校時代は陸上に熱中した。卒業後は札幌社会体育専門学校社会体育ビジネス学科(当時)に入学し、コーチングなどを学んだ。卒業後は苫小牧市でスポーツジムのトレーナーやスイミングコーチを務める日々を送ったが、けがが原因で退職。出身地に近い釧路市で職探しをしていたところ、父と太平洋設備の前社長に面識があったことが縁で事務職として1996年に入社した。

 1年ほどたったころ、上司に設計などの資格取得を提案され、技術者の道へ。同社の積極的な資格支援制度という後押しもあり、給水装置工事主任技術者、排水設備工事責任技術者のほか、2010年には1級管工事施工管理技士を取得するなど果敢に挑戦した。

 現在は水道工事の設計・積算業務に従事し、現場調査も欠かさないベテランだが、業務に慣れるまで5年ほどかかったという。「書類提出のたびに修正部分を指摘され、落ち込むことが多かった」と当時を振り返りながらも、「自分に知識が付き、ステップアップしていけること」が仕事を続けていく原動力となった。現在は外部から仕事の指名を受けるほどの実力派。「担当現場の作業がスムーズに進行しているとうれしい」と話す。

 現場第一主義の建設業界は男性社会のイメージが強く、女性進出に後れを取っているのが現状。企業説明会に参加したときには、女性見学者に自分の仕事をアピールしており、「釧根管内で活躍する女性技術者が増え、地域の業界を盛り上げていけたら。実際に現場を見てもらい、業界のイメージを変えていきたい」と業界の活性化を目指している。

 上司の三沢学土木水道事業部長は「スピードと正確さが求められる中で、迅速に対応できる人材。技術者としてレベルが高い」と太鼓判を押す。社内では若手社員のお母さん的存在として相談に乗ることも。。

 今後の目標は「工法・資材などの勉強を続け、自分から提案できる技術者になりたい」と目を輝かせた。

取材メモ

 趣味の家庭菜園ではミニトマトが豊作だったという。フィットネストレーナー、レクリエーションインストラクターの資格を持つ。

 川端望さん(かわばた・のぞみ)1975年3月26日生まれ、羅臼町出身。札幌社会体育専門学校(現・北海道スポーツ専門学校)卒。

(北海道建設新聞2019年10月24日付9面より)


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