タミヤのコンテンツ事業を展開 ユニットプロモーション

2019年10月30日 12時00分

「ミニ四駆」体験会など通じものづくりの魅力伝える

 ホビー好きなら、一目見てワクワクする赤と青のツインスター。タミヤ(本社・静岡)のロゴマークだ。世界屈指の総合模型メーカーをコンテンツに、イベントやノベルティー開発を手掛けるのが、札幌に本社を置くユニットプロモーション。小型モーターで動く四輪駆動模型「ミニ四駆」の体験会を企画したり、工作セットを使ったロボットスクールを開催するなどして、ものづくりの魅力を子どもたちに伝えている。集客や話題作りの新たな手法として、企業からの依頼は絶えない。

タミヤのミニ四駆やRC、工作シリーズを使ったコンテンツ事業を手掛ける及川社長

 ユニットプロモーションは、イベント企画制作やコンテンツ事業を手掛ける。2003年に設立し、子ども向けテレビ番組のキャラクターの版権管理を担ったり、キャンピングカーの展示会などを長らく企画する。

 タミヤのコンテンツ事業を手掛けるようになったのは09年ころ。業界では「タミヤに口座を開いてもらうのは難しい」といわれるほど、世界有数の模型メーカーとして製品作りにこだわり、タミヤを冠したイベントの実施はまず認められない。ユニットプロモーションの及川利明社長は「人脈がなければタミヤとの関係はつくれなかった」と振り返る。

 静岡市清水区のエスパルスドリームプラザ内にある「ちびまる子ちゃんランド」の運営を任せられてきた縁で、タミヤの田宮俊作会長と話す機会を得ることができた。ツインスターを掲げたイベントの運営を懇願し、同社の催事課をサポートする形で、少しずつコンテンツ事業を進めることが認められた。

 ミニ四駆は誕生から37年が経過したロングセラー商品で、累計販売数は1億8000万個ほどに上る。現在は第3次ブームと呼ばれ、1980年代の1次ブームで熱中した父親世代と共に、親子で楽しめるホビーとなっている。

 そうした中、ミニ四駆の体験会やレース、「楽しい工作シリーズ」という製品を使ったプログラミング教室などを展開する。スタッフ8人が東名阪を中心に全国を飛び回り、地域のイベント会社などに協力してもらいながら、ミニ四駆やRCの大会をサポート。スタッフは皆タミヤ好きなため大会参加者とも意気投合し、どのイベントも根強いファンの支持から盛況だという。

 企業向けには、ツインスターとのコラボレーションによる限定商品の開発や、模型作品の展示などを通した集客策を提案。子どもたちの車離れや工作意欲を取り戻そうと、最近は自動車メーカーや部品メーカーからの依頼も増えているという。

 及川社長は「ミニ四駆の制作やロボットスクールでのメカニック体験は、自分の手を動かす〝ものづくり〟の基本を味わえる。早く組み立てても、上手に動かすことができなかったり故障したり、作る子によって千差万別。子どもたちの個性を伸ばすにはもってこい」と話す。

 イベントの企画制作は会場の確保から設営、照明、音響、美術造作と手間が掛かる仕事。「時間をかけて会場を作り上げても、イベントが終わればあっという間に撤収する。華やかさが一瞬でなくなり、唯一無二なのがイベント企画の魅力。タミヤのコンテンツ事業を一層大きく展開し、企業のビジネスや自治体の地域活性化に貢献したい」と話している。


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