ウポポイ開設へ周辺整備 国保病院は早期に着工したい
任期満了に伴う白老町長選(10月15日告示)で、3選を果たした戸田安彦町長。「共生共創」をキャッチフレーズに、町民の生活力向上に全力を傾ける。まちづくりへの思いなど抱負を聞いた。(苫小牧支社 乙部 真貴子記者)
―3期目で特に力を入れることは何か。
まずは民族象徴空間(ウポポイ)の2020年4月開設が決定しているウポポイの周辺整備。ここ数年はウポポイの周辺整備に事業が集中していたので、今後は町民の生活力向上に力を入れたい。財政再建も道半ば。大きくはこの3点だ。
―人口減少や担い手不足といった課題にどのように対処していくのか。
人口減については、白老町では半分以上が自然減。人口減少に歯止めをかけるため、雇用の場を含め、若い人に住んでもらえるような環境、町独自の教育環境をつくっていきたい。
高齢者が働ける環境づくりと、毎年増加している外国人労働者が住みやすいまちづくりを進めていかなければならない。外国人が日本できちんと生活できるように事業者と連携していきたい。
担い手不足解消に向け、白老商工会議所と連携している合同企業説明会などで、どのような就職先が白老にあるか、若い人に知ってもらう場を設けている。白老は苫小牧、室蘭、登別にも通える距離にあるので、できるだけ白老に住んでもらえるように住宅補助制度もつくりたい。
―公共事業については。
参入事業者が決まっていないJR白老駅北観光商業ゾーンの民間活力導入区域は、民間による開発方針を変えない。ただ、100万人が継続して来場するのか事業者は心配している。プロポーザルの要綱、条件を緩和して再公募したい。
ウポポイや白老駅の自由通路、駅北のインフォメーションセンターの完成がまちづくりのスタートにもなる。最盛期、ポロト湖畔には87万人の観光客が来ていた。この人たちをいかに虎杖浜、社台に周遊させるかが大きな仕事だ。日帰りの旅行商品パッケージを作り、白老を周遊させる。「稼げる力」につなげたい。
(改築する)町立国保病院のベッド数や診療科など構想、計画については、関係機関と相談しながら早い時期にまとめたい。築50年と施設の老朽化も大きな問題なので、早く決めて工事に入りたい。
インフラ整備に当たっては、優先順位をつけて統廃合する施設も増えてくる。町民の声を大切にしながら進めなければならないと思うので、時間をかけてやっていきたい。
―基幹産業の建設業への思いは。
財政健全化プランが来年度で終わる。財政健全化は進めなければならないが、事業費を確保し、町民にとって何が大切か優先順位をつけながら、公共事業に投資したい。公共施設も人命にかかわる危険があるところから、手をつけていかなければならない。今後は老朽化施設の維持に携わってもらうことが多くなる。
戸田安彦(とだ・やすひこ)1969年1月7日、白老町生まれ。札幌大卒。94年に白老町内の民間企業に入社し、2005年代表取締役社長に就任。11年10月から現職。趣味はサッカー。
(北海道建設新聞2019年11月1日付13面より)