雨竜町内の排水路に国内初の連結ブロックアーチ橋

2019年11月14日 14時00分

会沢高圧コンクリートが「NEPアーチ」を納入

 会沢高圧コンクリート(本社・苫小牧)は、連結ブロックによるアーチ橋「NEPアーチ」を雨竜町内の排水路向けに納入した。全国のプレキャストコンクリート製品メーカー60社余りで組織するNEP工業会(本部・京都)が開発した製品で、納入は国内初。連結したブロックをクレーンなどでつり上げ、両端の基礎ブロックに据え付けることで、アーチ橋を構築する。工期短縮や省力化に効果があり、市町村の中小河川や用・排水路、民間企業の施設などで広く使ってもらいたい考えだ。

雨竜町で採用されたNEPアーチ

 NEPアーチは、主にアーチブロックと基礎ブロックで構成する。アーチブロックは、個々の迫石(せりいし)ブロックをテキスタイル(樹脂コーティングしたアラミド繊維)で連結してできた部材。クレーンによって現場でつり上げることでアーチ状にし、所定の位置に設置する。

 アーチブロックの設置が完了すると、周辺に型枠を組んで生コンを打設。養生後は防護柵を設置したり舗装を施して完成となる。

 おおむね支保工や足場工が不要。他の工法に比べて短期間でアーチ橋を構築できる。アーチブロックは1ユニット当たり迫石ブロック3―4個で構成し、運搬車両の積載制限に合わせやすいのも特長。大型トラックの入れない山間部や狭小な市街地に対応する。

 ボックスカルバートの設置に比べ、掘削工に伴う水替えの必要がないため手間が掛からない。渇水期など季節を選ばないことから、冬季の防寒養生などのコストを抑えられるメリットがある。
 NEP工業会が開発した製品。欧州で使われているコンクリート製のアーチ橋を参考に、日本国内の規格に合うよう2011年から研究を重ねて、製品化にこぎ着けた。設計は、複雑な形状をした物体の挙動予測などに使われるFEM(有限要素法)解析を採用し、十分な安全性を確保している。

 雨竜町発注の基線幹線排水路取り付け橋改修で採用された。施工は北興建設(本社・北竜)が担当。幅4610×高さ1000㍉の大きさで、荷重14㌧まで耐える。

 主に、自治体による中小橋梁の架け換えが対象。ゴルフ場の池や工場内の用水路などに架かる橋の代替としても見込んでいる。

 同社では「老朽化した橋梁の改修需要は多く見込まれ、大小問わず広く提案したい」と話している。

(北海道建設新聞2019年11月13日付3面より)


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