全国圧入協会(本部・東京)は8日、無振動・無騒音で硬質地盤に強い杭圧入工法であるジャイロプレス工法の見学会を実施した。技研施工(本社・東京)と道内企業で同工法専用機を初導入した第一基礎(同・岩見沢)の2社が施工状況を披露した。
建設コンサルタンツ協会認定のCPDプログラムとして技術講習を江別市民会館で開き、午後から当別町の青山ダムで施工状況を見学。約30人が参加した。
打ち込まれた杭の引き抜き抵抗力を反力として新たな杭を押し込む圧入工法は、打撃や振動による施工と違い、周辺への振動、騒音がないのが特長。技研製作所(本社・東京)が施工機「サイレントパイラー」を開発し、実用化に至った。
この発展型となるジャイロプレス工法は鋼管杭の先端にリングビットと呼ばれる切削刃を付け、杭を回転させながら圧入。これにより地中障害物の貫通や硬質地盤での施工を可能にした。
青山ダムは、札幌開建が取水施設改修などを進めていて、岩盤上の仮締め切りに同工法を採用した。元請けは岩田地崎建設。圧入する鋼管杭は直径800㍉、長さ12・5―15・5m、計53本。各杭間は小口径鋼管杭とモルタル中詰めで止水する。
技研施工、第一基礎がそれぞれ保有する専用機「ジャイロパイラーF401」は、油圧を供給するパワーユニットが分離。このため、杭を抱え込むようにして回転圧入する本体部分は軽量コンパクトだ。
本体から約30m離れたパワーユニット周辺で作業説明したが、圧入作業音がほとんど聞こえなかった。主催者、施工者とも参加者から熱心な質問を受けて手応えを感じた様子だった。