函館財務事務所が分析
函館財務事務所は、2019年にクルーズ船の入港が増加したことで5億円の経済波及効果が生まれるとの分析結果をまとめた。JR函館駅前から徒歩圏内の函館港若松ふ頭整備が函館発着ツアーの追い風となり、さらなる効果が期待できるとしている。
若松ふ頭は現在、着岸できるクルーズ船を4万㌧級までとしているが、函館開建が岸壁整備を進めていて、将来的には11万㌧級のクルーズ船が入港できるようにする計画。函館市は税関や出入国管理、検疫などの機能や、観光案内などを担う旅客ターミナル整備を予定している。
18年10月に暫定供用を開始したことから、19年はクルーズ船の来港が大幅に増えている。11月時点で入港回数は47回となる見込みで、18年に比べ20回の増加となる。来函する乗員乗客数もこれまでは5万人前後で推移していたが、3万6000人程度増えると見込んでいる。
これによって、飲食業や娯楽業などサービス業で1億円、小売や卸売など商業で2億円、水産加工業など製造業で1億円、公共交通やタクシーなど運輸業で1億円の計5億円の経済波及効果があると試算。82人の新規就業誘発効果が生まれるとした。
同事務所は「市内観光の回遊性が高まるなど、港町ふ頭着岸時より大きな観光消費が見込める」と期待。函館発着のツアーが充実すれば、クルーズ前後の宿泊にもつながり、宿泊・飲食業だけでなく第1次、第2次産業など幅広く効果が波及するとみている。