中国市場に挑む ~大連・瀋陽リポート~

 高層ビル・マンション群が立ち並び、至る所に建国70周年を祝う横断幕や国旗が掲げられている―。

 10月8日から12日まで北海道中小企業家同友会国際ビジネス研究会主催の中国経済視察研修に同行した。海外の投資や技術を受け入れながら、世界第2位の経済大国に発展を遂げた中国。その巨大市場に挑戦する日系企業と、成長続ける中国企業の現状を取材した。

(この連載は経済産業部の富樫茜が担当しました)

中国市場に挑む~大連・瀋陽リポート~(4)世界見据える瀋陽の企業

2019年12月05日 14時00分

国際的サービス提供へ

 新幹線で2時間かけて大連から瀋陽までの約390㌔を移動した。都市部では高層マンションが乱立していたが、郊外に出るにつれ農業用ビニールハウスと未舗装の道、低い建物が目立つようになる。都市部と地方部の格差を感じた。

 東北地方の中心地である瀋陽は人口約830万人。工業都市として知られ、近年は教育やイノベーション分野にも力を入れている。

 瀋陽に本部を置く新松机器人自動化股份有限公司は、レストランの客席に水を運ぶサービスロボットや工業用ロボットなどを製造する。

 工場内の人員は数人のみ。組み立てから塗装、溶接、工程間の運搬、テストまで全てロボットが担う。いわば、ロボットがロボットを作っている。

 重要な部品は日本から調達。機械によって分業制を採っている。部品の位置などは人がコンピューターで制御。工場内には整理、整頓、清掃、清潔の4Sの看板が設置されていた。

 従業員は約5000人で、うち技術研究人材が3000人。国内の有名大学と連携し、技術学校に訓練用ロボットを提供するなど、次世代を担う人材の育成に努めている。

 ロボットは世界35の国・地域に輸出。ロボット業界で初めて国内株式上場し、政府要人が視察に来るなど、注目度が高い企業。担当者は「ロボット業界の発展をけん引し、生活の質を向上させることが使命。世界一になり、国際的なサービス提供を目指したい」と話す。

 瀋陽康福食品有限公司は、月餅といった中国の伝統的な菓子や麺類など、小麦粉から作られる食品を製造している。小麦は国産とカナダ産を半々で採用。製造場は約4万m²の広さで、自動生産ラインを導入している。

さまざまな菓子を製造する瀋陽康福

 旧暦の8月15日に当たる中秋節で食べる風習がある月餅は、人気商品の一つだ。丁偉(チョウエイ)董事長は「中国一のおいしさだと思う」と自信を見せる。中国全土で販売。日々の研究開発が、おいしさを支えている。

 ホテルからの注文を受けて、ホテル販売用の月餅を製造する。瀋陽の5つ星ホテルで売られている月餅は、同社のものだ。

 太さが異なる麺や野菜味の麺など、さまざまな種類の麺を製造。日本料理店にも提供している。スープと牛肉、麺を1セットで販売。スープは化学調味料を使わず、伝統的な製法で作る。卸売値は10元(約150円)で、小売価格は18―20元ほどになる。

 4月、日本の浴衣や作務衣(さむえ)の加工輸出などを手掛ける瀋陽上林商貿有限公司を通じて北海道で康福食品の製品をPRしたところ、反応は悪くなく販売を検討しているという。

(北海道建設新聞2019年11月15日付3面より)


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