客席確保に向け人気競技を大型施設に
札幌市が2030年招致を目指す冬季五輪・パラリンピックのスケート競技で、会場の入れ替えを検討していることが27日、分かった。
多くの来場が期待される人気競技を大型施設に移す方向で、人気のあるフィギュアスケートは東区のスポーツ交流施設(つどーむ)へ変更する考え。つどーむの客席は仮設で増設するが、アイスリンク設置のため、施設の一部改修も検討する。
見直し中の開催概要計画では、つどーむで男子アイスホッケーとパラアイスホッケー、南区の真駒内セキスイハイムアイスアリーナでフィギュアとショートトラックを開く予定だった。
検討案では、つどーむをフィギュア、ショートトラックの会場とし、男子ホッケーとパラホッケーは札幌ドーム周辺に建て替えを計画する新月寒体育館に移行。新月寒体育館で予定していた女子アイスホッケーは真駒内アリーナに変更する考えだ。
国際オリンピック委員会(IOC)は、既存施設を最大限活用しコストを削減した開催計画を求めている。市はこれを踏まえ計画の見直しを進めていた。
予定していた真駒内アリーナの建て替えが難しい状況のため、人気の高いフィギュアを約1・1haと広いアリーナのあるつどーむに移し、仮設で1万席以上の客席数確保を検討する。
つどーむはS一部SRC造2階、延べ1万8883m²の全天候型スポーツ施設。リンクとしての実績がなく、施設改修が必要になる可能性があるが、真駒内の建て替えに比べ施設整備費は大幅な削減が見込める。
女子ホッケーの客席数はIOCの旧基準を参考に、真駒内アリーナの固定席約6000席で対応できるとみている。
人気の高い男子ホッケーは女子ホッケー以上の客席確保が必要と見込まれるが、新月寒体育館の設計はこれからで、対応の余地があると判断した。
(北海道建設新聞2019年11月28日付12面より)
北海道建設新聞2019年11月28日付12面では、男子ホッケーとパラホッケーが移行を検討する新月寒体育館に関する記事も掲載しています。