震災復旧や新幹線延伸で
北海道生コンクリート工業組合は、2019年度の道内生コンクリート需要量を当初の想定より3%上方修正し、335万7000m³に変更した。18年度実績の344万m³には2%ほど届かないが、全道29協同組合のうち13協組で増える見通しを示した。今後は、当初の見込みよりも動きの鈍い官需の盛り返しが鍵を握るとみている。
道内全体の需要量の内訳を見ると、官需は127万4000m³で19年春の当初想定(128万5000m³)より1%の微減、18年度実績より11%ダウンすると下方修正した。
民需は208万3000m³で、当初想定(198万4000m³)より5%上方修正した。18年度実績は200万4000m³だったため、8万m³ほど上回る格好だ。
全道29協組のうち、当初想定より増加しそうと答えたのは13協組、減少は10協組、変動なしは6協組だった。
37%ほど上振れすると再想定した苫小牧は、官需・民需合わせ20万2000m³になるとみている。北海道胆振東部地震の復旧工事のほか、北海道クールロジスティクスプレイスの温度管理型冷凍冷蔵庫などが背景。19年度上半期(4―9月)時点で、前年度同期比42%増の11万9394m³と高水準にある。
羊蹄山麓6町村ほかをカバーする後志は、ニセコのリゾート開発や北海道新幹線札幌延伸関連のトンネル工事需要などを要因に当初想定比67%増と大幅に上方修正した。19年度上半期は26%増の10万8131m³に積み上がった。
札幌は官需・民需とも5%ダウンし105万5000m³になると下方修正した。18年度実績は96万m³だったため、9万m³ほど上回る予想だが、足元では契約物件の残りが少なくなっているほか、戸建て向けが頭打ちにあることなどがマイナスの判断材料となった。民需は95万m³、官需は10万5000m³とみている。
18年度の出荷実績より上回るとみるのは、函館や空知、釧路など10協組。伸び率では宗谷が2倍近く増えるとみていて、北渡島や旭川も10%前後増えると想定する。
北海道生コンクリート工業組合のまとめによると、19年4―10月の全道出荷量は233万2400m³で、前年度同期より4%多かった。官需は87万7000m³で2%減少し、民需は145万5400m³で8%増加した。
(北海道建設新聞2019年12月4日付3面より)