航空宇宙分野の前線基地に
室蘭工大(空閑良寿学長)は、2020年度に大樹町へサテライトオフィスを設置する方針を示した。既存建築物を利用する考えで、場所は未定。町や町内でロケット事業を展開するインターステラテクノロジズ(IST)との連携を強化し、研究や教育面から宇宙港構想の支援に努める。
同大は航空宇宙関係のコースがあり、05年には航空宇宙機システム研究センターを設立している。19年度からISTの衛星軌道投入ロケット「ZERO」の心臓部となるターボポンプを共同開発。町多目的航空公園では同大が手掛ける超音速ドローンの飛行実験もしている。
サテライトオフィスは簡易工作や実験機組み立てなどの研究開発作業空間をはじめ、連携先機関との打ち合わせスペース、大学の航空宇宙分野における広報拠点としての活用も検討している。
使用する建物は町と協議中だが、大学は町の滑走路に近く、ISTの事務所や工場に近い物件を求めている。大学職員が町を訪れた際には旧歴舟小などを視察した。
同大の担当者は「本学における航空宇宙分野の前線基地やISTとの共同研究の拠点として、できるだけ早く設置したい。宇宙港構想の支援をはじめ、関連イベント参加や小中学生への教育貢献など積極的に取り組みたい」と話している。
(北海道建設新聞2019年12月2日付7面より)