東日本高速道路など高速道路3社は暫定2車線区間の4車線化などに取り組む際の指針となる「高速道路における安全・安心実施計画案」をまとめた。東日本は4車線化に際して必要な調査設計を実施し、効率的な事業の推進を明記。道内では道東道千歳恵庭JCT―十勝清水ICなど4区間、対面通行延長136㌔が優先整備区間として選定されている。
16日に開いた社会資本整備審議会道路分科会国土幹線道路部会で報告。ことし9月に国土交通省が策定した基本計画に基づき、東日本、中日本、西日本の高速道路3社が安全性や走行性改善、大規模災害の対応など取り組みを盛り込んだ。
道内高速道路を所管する東日本高速道路の実施計画はおおむね10年を計画期間としており、「必要な調査設計を実施し、効率的に4車線化事業を推進する」として、トンネルなどの更新より4車線化を優先させることで、長期の維持・更新による通行止めの回避・コスト縮減を図る考えだ。
同社が所管する道内の暫定2車線区間のうち優先整備区間は4区間で、対面通行区間延長は約136㌔。道東道千歳恵庭JCT―十勝清水IC間約87㌔、道央道登別室蘭IC―伊達IC間約18㌔、国縫IC―八雲IC間約17㌔、和寒IC―士別剣淵IC間約14㌔の内訳となっている。
このほか東日本所管分では、暫定2車線区間の土工部の中央分離帯ワイヤロープ化は約370㌔のうち7割を2020年度までに完成させ、22年度までに全て置き換える予定。事故多発地点84カ所の重点対策は24年度まで、橋梁約1250橋の耐震補強は26年度までの完了を目指すほか、ICTを活用した除雪など雪氷対策、サービスエリアの混雑解消といった事業も推進する。
(北海道建設新聞2019年12月17日付1面より)