開発局が施設内部を公開
2020年4月の開業を控えた民族共生象徴空間(ウポポイ)[MAP↗]で、国立アイヌ民族博物館など主要施設がほぼ完成した。ポロト湖周辺に溶け込むようにデザインされた各施設では、内装や展示プログラムの準備が進められている。
北海道開発局は19日、アイヌ文化復興拠点となる施設の内部を公開。内閣官房アイヌ総合政策室と文化庁、アイヌ民族文化財団の各担当者らが施設や体験プログラム、展示内容などを説明した。
中核施設となる国立アイヌ民族博物館はS造、3階、延べ8600m²で、2階に基本展示室と特別展示室を設けた。基本展示室では言語や歴史、暮らし、仕事、信仰、交流の6つのテーマで、伝統的な衣類など700点以上の資料を展示するほか、アイヌ語の音声ガイダンスでも説明する。特別展示室は2カ月ごとに展示内容を変え、9月には海外の資料を展示する予定だ。資料は津波など自然災害から守るため、全て2階に集めた。
年内に完成予定の体験交流ホールはS造、2階、延べ1667m²で、536人を収容。ポロト湖畔を借景するステージ上では、古式舞踊やムックリなどの演奏を披露する。借景窓を閉じるとプロジェクションマッピングを演出できる。
博物館設立準備室の佐々木史郎主幹は「存在感のある博物館になった。基本展示も常にリニューアルを繰り返し、公園と施設の両方でウポポイを楽しんでもらいたい」と話した。
16日に修学旅行など学校関係の予約が始まった。アイヌ民族文化財団によると、すでに250校ほどの予約が入っているという。(苫小牧)
(北海道建設新聞2019年12月23日付9面より)