渡島・桧山管内の市町庁舎耐震化・建て替えの状況が本紙取材でまとまった。渡島で函館、八雲、鹿部、松前、森、桧山では乙部、奥尻、今金の計1市7町が旧耐震基準の庁舎。2017年度に耐震改修した函館市以外は未着手の状況で、八雲、鹿部、松前、奥尻は移転や建て替えの方針を表明している。
渡島管内では、八雲町が現在の住初町138から国立病院機構八雲病院が立つ宮園町128へ移転する方針。八雲養護学校(05年完成、RC造、2階、延べ3711m²)の施設を活用する計画で、24年度からの改修を見込む。総事業費は38億円以内とし、20年1月にも改修の基本計画策定業務を発注する見通し。
鹿部町は宮浜299から鹿部町252の1に移転する方針を掲げる。新庁舎は延べ2600m²程度とし、事業費は14億円を想定。ドーコン・二本柳慶一建築研究所共同体で基本・実施設計を進めていて、20年5月にも着工する考えだ。
松前町は18―27年度を期間とする総合計画の実施計画に庁舎の移転改築を盛り込む。現庁舎(福山248の1)が津波浸水区域内にあることから高台への移転を目指していて、23年度以降の事業化を見込んでいる。
森町の役場庁舎は67年の完成。本庁舎がRC造、2階、延べ1414m²、議会棟がRC造、2階、延べ1207m²となっている。耐震化などの方針については未定で、梶谷恵造町長は議会答弁などで何らかの対策が必要と示しているが、20年10月までの任期中に具体化させる考えはないとしている。
桧山管内を見ると、奥尻町は22年度に10億円を投じて改築に踏み切る計画だ。新庁舎には議会庁舎や福祉センターを集約し、延べ2000m²程度を想定。延べ500m²の消防庁舎を併設する。20年度から2カ年かけて基本・実施計画に取り組む。
今金町の庁舎は66年の完成でRC造、3階、延べ2073m²。耐震診断の実施や建て替え、補修などの方針は検討中だ。
65年に建設した乙部町の庁舎はRC造、2階、延べ1155m²。このうち、延べ605m²分は93年に増築した。S造、平屋で耐震基準を満たし、災害時はこの増築スペースに避難できるよう設計しているため、当面は庁舎全体の改築はしない方針だ。
(北海道建設新聞2019年12月24日付9面より)
北海道建設新聞2019年12月24日付9面では、記事のほか、管内の耐震化、改築動向を表で掲載。各自治体の庁舎の完成年、規模や構造などが一覧できます。
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