京都の育英館 稚内北星学園大の経営に参画

2019年12月26日 15時30分

 稚内市の工藤広市長は25日に開いた市議会全員協議会で、経営が悪化している稚内北星学園大について、京都府に本部を置く学校法人育英館(松尾英孝理事長)が経営に参画し、再建を図る方向性を示した。今後は2020年度からの経営参画に向け、市を含む3者で19年度内の協定書締結を目指す。

 学校法人稚内北星学園(斉藤吉広理事長)が運営する同大は1987年に短大として開学し、2000年に4年制大学に改組。学生減少に加え、国の補助金見直しなどを要因に厳しい経営が続いていた。7月には市に存廃に関する協議を要請。その中で、経営参画に意欲を見せた学校法人育英館と協議を進めてきた。

 同法人は、高知県で四万十看護学院、京都府で関西語言学院などを運営。関連法人の京都育英館は北海道栄高や苫小牧駒沢大なども運営する。

稚内北星学園大の再建に向けた方向性を説明する工藤市長

 工藤市長は松尾理事長との協議で「日本最北端という他にない価値を有し、情報メディアを専門とする大学で外から見て十分に再生する可能性があるとの評価をいただいた」とし、「現時点で学部学科は維持し、松尾氏が学校法人稚内北星学園の理事長として経営に参画したいとの意向があった」と説明した。

 21年度の学生募集では全国的な認知度を上げるため20年8月ごろまでの大学名変更を検討。工藤市長は「宗谷の高等教育の要としてこの地に根を張り、市内外の学生が魅力を感じる大学になるよう支援したい」と述べた。

 稚内北星学園の斉藤理事長は報道陣の取材に「この地域で大学が存続する道が見えたことはうれしい。在学生は心配なく勉学に励んでほしい」と話した。 

 (北海道建設新聞2019年12月26日付1面より)


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