耐震性不足の役所・役場庁舎 石狩管内は3施設

2020年01月10日 10時00分

 石狩管内8市町村の役所・役場庁舎(札幌市各区役所を含む)18施設のうち、耐震改修中の千歳市を除き、札幌市中央区役所、江別市役所、当別町役場の3施設で耐震性能が不足している。中央区役所は民間活力を活用して現地改築を計画し、2020年度に事業者選定に入る見通し。江別市役所、当別町役場は財政状況を見極めつつ、建て替えの検討を進めている。

 1981年以前の旧耐震基準で建設された市役所、区役所、町村役場庁舎の耐震化状況を本紙が調査した。

 耐震性能の確保は震度5強でほとんど損傷せず、震度6強で人命に危害を及ぼす倒壊や被害が発生しない目安となる現行基準(新基準)を満たすことで判断した。

中央区役所建て替えへ20年度事業者選定 札幌市

 札幌市は市役所本庁舎と10区役所のうち、本庁舎と6区役所が70年代の旧耐震建築。うち本庁舎は耐震化の改修歴はないが、想定最大震度の6強で倒壊しない性能を確認済み。北、東、豊平、南、西の各区役所は09―13年度で耐震改修を終えている。

 耐震性能不足の中央区役所[MAP↗]は区民センターや保健センターを統合し、複合庁舎として現地改築する計画。新庁舎は6階、延べ2万m²を想定し、24年度の供用を目指す。

 整備は民活型のBTO方式を採用する方向で、20年度に設計・建設、運営を担う民間事業者を選定する予定だ。

 今後は70年代に建設された施設の老朽化への対応が課題。しかし、この時期に建設された多くの市有施設が一斉に更新期を迎えるため、市は人口減少を見据え、長寿命化や複合化で計画的な施設管理を進める方向だ。

 本庁舎[MAP↗]は将来的な土地利用の考え方として隣接する大通西1丁目への建て替えを想定し、南区役所[MAP↗]は地下鉄真駒内駅前再編のまちづくりで再整備する方向だが、いずれも具体化には時間がかかる見通しだ。

 一方で市は、経済活性化のため民活導入や民間再開発に合わせた公共施設整備を選択する姿勢を強めていて、付近で動きがあれば一気に更新へ動く可能性がある。

江別市、当別町も検討進める 近郊7市町村

 近郊7市町村を見ると、江別市と当別町で耐震化が必要。千歳市は耐震改修中で、石狩市、新篠津村、恵庭市、北広島市は対応済みという状況だ。

 江別市[MAP↗]は、20年度末までに庁舎建て替えの基本構想をまとめる方針。66年度完成の市役所本庁舎と、73年度に完成した市民会館を複合施設として建て替える計画で、新庁舎の規模は延べ1万8000m²を見込む。

 建設候補地には江別高跡地(向ケ丘26)と現在地が挙がっている。

 概算事業費は合築の場合、122億―130億円と試算。PFIやリース方式など民間活用を視野に事業手法を検討する。

 当別町[MAP↗]は北海道胆振東部地震の発生で、建て替えの意向を強める。財政状況を見ながら事業手法や整備時期の整理を進める。

 千歳市[MAP↗]は本庁舎を耐震補強中で、大規模改修を合わせ年度内の完了を目指している。

 17年度に完成した北広島市[MAP↗]の新庁舎には、建て替えを検討する道内市町村の関係者が視察に訪れる。市によると利便性を高める機能に加え、構造や耐震性能、大規模停電に備えた非常用発電など実務的な部分に関心があるという。

 庁舎整備は費用捻出が課題だが、胆振東部地震や大規模停電を教訓に、災害時の機能維持に対する意識が高まっている様子がうかがえる。

(北海道建設新聞2020年1月9日付12面より)

 北海道建設新聞2020年1月9日付12面では、当記事に加え石狩管内8市町村、18施設それぞれの完成年度や規模、耐震化状況をまとめた表を掲載しています。

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