川崎建設(本社・京極)と玉野総合コンサルタント(本社・名古屋)はこのほど、苫小牧市内で特殊な装置を使った下水道管の実験調査をした。調査が困難な圧送管内の様子をカメラで撮影し、劣化具合を確認した。
装置は、川崎建設が暗渠清掃ロボットとして独自に開発、施工に活用している「きょうごくロボ」がベース。業務を通じ、関係性を持った玉野総合コンサルタントと共同で改良している。
カメラの解像度向上などハード面は川崎建設、広報活動や実験の手配などソフト面は玉野総合コンサルタントが担当する。
細長い形状で、電力を供給するケーブルの先端に管内を撮影するカメラとLEDライトを備える。また、水を後方に噴射し推進力を得るため送水ケーブルを接続し、撮影と並行して高圧洗浄の効果も期待できるという。
撮影した映像はモニターに映し出されるほか、Wi―Fiを通して複数台のスマートフォンでも見ることができる。リモコンでカメラを動かし広い範囲を見渡すことも可能だ。
調査は12月17日、錦岡の錦多峰川に架かる橋梁に添架する圧送管で実施。腐食しやすいダクタイル管15mを含む、約60mを調査した。管径が100㍉ほどと小さく、一度に長距離を調べる必要があるため、これまで本格的な調査は難しかった。
装置は10分ほどで60m地点まで走行。管内に濁水がたまり撮影が困難だったが、作業員が水を抜き、管壁の撮影に成功。腐食や大きな堆積物がなく、問題がないことを確認した。
実験を終え、玉野総合コンサルタントの源田吉則上下水道部長は「管内での走行性能は確認できた。改良を重ね、全国に約1万㌔ある圧送管の管理に困っている自治体を手助けしたい」と展望を示した。(苫小牧)
(北海道建設新聞2020年1月9日付11面より)