新千歳とヘルシンキ結ぶフィンエアー
道は10日、欧州への航空貨物輸出実証事業で輸送実験を開始した。新千歳とフィンランド・ヘルシンキを結ぶフィンエアーの就航決定を受け、道が同線の貨物スペースを借り上げて輸出入を希望する荷主に提供。道産食品の輸出拡大を目指し課題を把握する。初回はバイヤー向け商品などを輸送した。実証実験は2月までに計3回を予定する。
フィンエアーは2019年12月16日から本道と欧州を結ぶ定期航空路線として、17年ぶりに就航した。20年3月27日までの冬ダイヤ、3月30日から10月22日の夏ダイヤともに週2便の運航を計画する。所要時間は新千歳からヘルシンキが9時間35分、ヘルシンキから新千歳が日欧最短の8時間55分。
道は就航決定を受け、19年6月に実証事業の委託事業者を公募型プロポーザルで募集し、10月に北海道総合研究調査会(HIT)と契約。発注から納品までに要する時間、コスト、通関手続き、荷主・買い手の満足度などを検証する。事業費は1000万円。
初回の輸送実験では、イタリア・ミラノのバイヤー向け道産食品として、みそ、しょうゆ、ノリ、シイタケ、水などのほか、ヘルシンキでの就航記念レセプションで提供する道産のコメ「ななつぼし」、日本酒、ワイン、ホタテなど8事業者の30品目を積み込んだ。
道総合政策部航空課の中尾敦課長は「北海道にとって大きなビジネスチャンス。課題を点検し、輸出のメリットを事業者に伝えたい」と話した。
(北海道建設新聞2020年1月14日付10面より)