JR北海道は16日、計画中の北海道新幹線札幌駅に関して、新幹線専用改札の位置を含む変更案を公表した。島田修社長が同日の記者会見で説明した。
現行計画では新幹線ホームは2階に位置し、1階に新幹線専用改札、3階に在来線乗り換え改札を設けるが、変更案では専用改札も3階とする。各改札を同じフロアに集約することで利用客に分かりやすくする。
駅舎は2階以上で北5西1、2街区の再開発ビルと接続するが、1階に改札口を開設した場合はビルとつながらず、特に西2街区とは道路を隔てるため回遊性が低い問題があった。変更により1階に空間を確保でき、タクシー乗り場など交通サービスの利便性向上を図る。
また、創成東地区への新幹線東改札の設置を検討するために、ホームの設計を見直して改札を造りやすい構造に変更。具体的には下りホームの位置を南側に約1・5m、東側に25m移動し、上下ホームの幅も変える。
ホーム直下の空間にエスカレーターや階段を通すなどのプランが検討できるようになるという。
これに加え、在来線乗り換えのためのこ線橋の通路幅を広くする。現行計画では幅が十分でなく、時間帯によって乗降客で混雑する懸念があった。設計を変え、在来線ホームと直接つながる乗り換えこ線橋の位置を現計画から約50m西側にする。ただ、新幹線と在来線の乗り換えに要する時間は約6分で変更はないという。
開業予定は2030年度末で変更はない。工事費も現行計画の約645億円の範囲内で収まるという。
今の建設計画は、18年3月に開いた道、札幌市、鉄道・運輸機構、国交省、JR北による「北海道新幹線札幌駅ホーム位置に係る調整会議」で決定した。今後は駅の建設主体となる鉄道・運輸機構が、今回の案に沿って工事実施計画の変更手続きをとる。
(北海道建設新聞2020年1月17日付2面より)