22日に帯広市で開催する技能五輪地方大会に、帯広高等技術専門学院から建築技術科の1年生8人、2年生4人の計12人が出場する。現在、学生たちは本番に向けて練習を重ねているところで、細川紀幸建築技術科長ら4人の指導員から道具の扱いやこつなどアドバイスを受けながら、正確かつ迅速に課題を製作できるよう腕を磨いている。
技能五輪は満23歳以下の若手技術者が対象で、建築大工では地方大会、全道大会で好成績を収めた者が全国大会に駒を進める。また技能五輪の技能証を得ると2級技能士の実技試験が免除となる。同学院では在学生や修了生がこれまでに多数出場しており、全国大会の入賞経験もある。
地方大会に向けては12月初めから練習を開始。課題は踏み台状の木製製作物で、5時間半を目標に原寸図作製から削り、墨付け、加工、組み立てまでのタイムと正確性を評価する。
1年生の岡崎遙平さんはものづくりに興味があり、好きなことを仕事にしたいとの思いから同科に入校。当初は課題に7時間以上かかったが、練習の成果もあって現在は目標の5時間半に収められるようになった。「冬休み明けで少しなまっていた部分もあったが、本番では100%の力を発揮して好成績を出せたら」と意気込む。
ことしから時間講師として指導に当たる樋野史也さん(山口建設)は、同学院在学中に技能五輪全国大会に出場し、入賞した経験を持つ。「自分も最近まで選手の立場だったので、教える側は難しい」と話しながらも、指導には力が入る。
選手時代に一番を目指して取り組んできた樋野さんは、今の若手技術者は道具の扱いなど基本がおろそかになってきているとも指摘。「全国での経験や周りの出場者を見ると高い意識を持てる。大会の存在は大きい」と話し、出場する学生の健闘を祈っている。
(北海道建設新聞2020年1月17日付7面より)