余市町は道の駅再編・余市IC周辺地域の活性化に向けた、官民連携事業調査の概要を明らかにした。道の駅の移転候補地として、旧協会病院跡地、都市公園予定地、余市IC[MAP↗]出入り口付近の3カ所があり、余市IC付近が最も高い評価を得た。調査結果は3月までに報告書としてまとめる。整備場所は2020年度以降、整備構想策定作業の中で決定する方針だ。
道の駅は黒川町6丁目4[MAP↗]にあり、駐車スペースの一部を隣接するニッカウヰスキー余市蒸溜所から無償貸与されている。ニッカは生産設備増強に向け土地を使用するため、20年4月以降の賃借契約を更新しないことになった。
調査はパシフィックコンサルタンツに委託して進めている。再編整備の候補地は、ある程度まとまった土地で、交通量が見込まれる場所を抽出。都市計画法など法規制への対応をはじめ、地域連携・振興や防災、民間事業者参画の可能性など市場性、公共交通利便性、整備地周辺の生活環境への影響や施設配置、土地取得といった実現可能性など各視点を数値化して評価した。
現在の道の駅に近い大川町の旧協会病院跡地[MAP↗](約0・6ha)、黒川町の国道5号と道道余市赤井川線の交点付近で計画している都市公園予定地[MAP↗](最大約2・5ha)、登町の余市IC出入り口付近(最大約4・7ha)の3カ所を評価し、余市IC付近が最も高い評価を得た。
このほか、委託業務では町の現状と課題、余市IC開業による交通環境の変化、総合計画など各種関連計画での道の駅の位置付け、道の駅整備のメリットなどを検討。「広域観光促進および産業振興のための拠点」「後志地域の交通結節点の形成」「町民の交流の場の形成」を整備方針とした。
これに基づき、道の駅導入の方向性として①広域情報発信機能②交通結節点機能③地域コミュニティー機能④地域連携・振興機能⑤休憩機能⑥防災機能―を打ち出した。
また、道の駅再編整備に限らず、民間事業者参画を促すための事業参画提案制度の制定を検討し、事業者選定の指針を定める方針だ。
(北海道建設新聞2020年1月23日付11面より)