アジアでは初開催 魅力発信の機会に
アウトドアや異文化などを題材とした体験型観光であるアドベンチャートラベル(AT)のワールドサミットが、2021年9月に北海道で開かれることに内定した。アジアでは初開催。60カ国から約800人の参加が見込まれ、AT好適地として本道のPRや、海外富裕層を中心とするAT旅行者の増加に期待が集まる。24日の記者会見で発表した鈴木直道知事は「北海道の魅力を発信する絶好の機会にしたい」と意気込みを語った。
ATは、アクティビティ、自然、異文化体験の3要素のうち、2つ以上を盛り込んだ旅行形態。欧米を中心に発達し、世界で約72兆円の巨大マーケットとなっている。
ワールドサミットは、アドベンチャートラベル・トレードアソシエーション(ATTA)が主催する世界最大のATイベントで、05年からこれまでに16回開催。20年はオーストラリアのアデレードで開かれる予定だ。北海道への誘致は、道、札幌市、釧路市、北海道観光振興機構などでつくる準議会が進めてきた。
道内での開催は21年9月20―23日で、セミナー、AT体験ツアー、商談会などを予定。メイン会場は札幌コンベンションセンターだが、道東エリアをはじめ道内各地が会場となることも想定する。
内定を発表した鈴木知事は「北海道にATの大きな可能性があると理解してもらえると思っている」と話し、冬に多いインバウンドの季節偏在を変える契機にしていく考えも示した。
また、秋元克広札幌市長も同日の定例記者会見で「新しい可能性を持った分野だ」と、長期滞在や消費拡大による経済効果を期待した。
(北海道建設新聞2020年1月27日付1面より)