大樹に宇宙港 町がロケット射場整備で基本構想まとめる

2020年01月29日 13時15分

滑走路新設の総事業費は216億円

 大樹町は、ロケット射場整備に向けた基本構想をまとめた。射場は2段階に分けて整備する方針。将来的な商業打ち上げを目指す第2発射場(L2射場)は候補地として町内4地区を示した。また町多目的公園内にある滑走路の延伸、新設について具体案を提示。新設の総事業費は216億円を見込んでいる。

 町は「町多目的航空公園を活用した地域活性化方策・施設整備検討調査・環境影響評価の実施」を日本工営に委託しており、このほど報告書を受け取った。

 現在、町内でロケット事業を進めるインターステラテクノロジズ(IST)が2023年までの人工衛星軌道投入機「ZERO」打ち上げを目指しているため、施設は同年までに必要なL1射場、長期的に使用するL2射場を2段階に分けて整備する。

 L1射場はISTが現在使用する浜大樹の実験場南側に整備。ISTの利用をメインに考えて必要最低限の設備を配置し、L2射場整備後は試験場として利用する。

 概算事業費は2億6000万円。工事は伐採ほか6400m²、射点までの運搬通路の舗装、路盤2100m²、ロケット組み立て棟などの整備を見込む。

 L2射場は複数企業が多頻度に実施する商業打ち上げを想定。町東部の生花、晩成、ホロカヤントウ右岸、美成の4地区を候補に挙げた。いずれも太平洋に近いエリアだが、津波想定や自然環境への影響は確認している。

 整備内容は射点のほか、ロケット組み立て棟や燃料となる酸化剤の保管庫、管理施設、機体輸送でトレーラーが走行可能な連絡通路などを想定する。候補地の選定時期と概算事業費は未定だ。

 さらに、検討していた町多目的航空公園の滑走路延伸、新設の具体案を複数提示。延伸はL1射場整備に合わせて実施する計画で事業費は3億5000万―6億円。整備方法は3案示したが、1000mの現滑走路を東西に300m伸ばす案を周辺影響などの観点から有力としている。

 新設は宇宙旅行や高速ドローンの実験などが可能な3000mを整備。L2射場整備の段階で実施する。総事業費は約216億円で現滑走路と平行か海岸線と平行、直交するかの3案で検討する。

 また計画推進に向けた課題として、ハード面では観光施設と見学場の整備や十勝港からの大型資機材運搬経路確保などを挙げた。

 大樹町の黒川豊副町長は、本年度中に滑走路延伸など概略設計の予算を計上する考えを示し「今後は射場のユーザーとなる関連企業の要望を聞きながら宇宙港実現へ機能拡充を進めたい」と話している。

 報告書は28日から町のホームページで公開。概算事業費の算定結果や射場計画4地区の概略平面図、滑走路案の図面などを公表している。 (帯広)

(北海道建設新聞2020年1月29日付1面より)


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