2月1日オープンへ
新千歳空港ターミナルビルディング(本社・千歳)は29日、2月1日にオープンする「ポルトムインターナショナル北海道」の内覧会を開いた。落ち着きのある内装を施した海外富裕層向けのハイクラスホテル。新千歳空港国際線ターミナルに直結する強みを生かして道内の周遊観光を促進し、地域振興につなげる考えだ。
SRC造、8階、延べ2万872m²の規模。「旅に出逢いと彩りを」をコンセプトに、施設内には葛飾北斎や伊藤若冲らの芸術作品を随所に展示し、美術館のような空間を演出する。
設計は日本空港コンサルタンツ・梓設計・山下設計・えんれいしゃ共同体、施工は大林組・戸田建設・萩原建設工業・伊藤組土建・田中組・菱中建設共同体がそれぞれ担当。2017年11月に着工し、20年1月に完成した。
4階のロビーは左官職人の久住有生氏が根室の土を使って壁を手掛けたほか、5階から8階は一部を吹き抜けとし、草木染の手法で染めた布を天井からつるし四季を表現している。
部屋数は171室。スーペリアルーム(43m²、1泊8万円)108室をはじめ、ジュニアスイート(63m²、24万円)52室、ポルトムスイート(63m²、30万円)8室などをそろえる。
最高級の数寄屋スイート(250m²、1泊100万円)は数寄屋造りの和室を備え、鎌倉、室町、安土桃山、江戸の各時代の芸術に広々とした空間で触れることができる。
フレンチレストランと日本食ダイニングを用意し、道産食材を使い趣向を凝らした料理を提供する。
カフェやバー、宿泊者専用の温泉やジム、ゲストサロンなども配置。3月には茶室の完成を控える。
運営に当たる碧雲堂ホテル&リゾートの田頭清輝副社長は「20分圏内で次の空港に行ける立地。ホテルだけではもったいないので、各地を回るベースとなるホテルになれば」と話していた。
(北海道建設新聞2020年1月30日付12面より)