岩内町は2020年度、含翠園(がんすいえん)改修の実施設計と一部着工を計画している。19年度は基本計画策定をシビテックに依頼。書院造りの家屋(茶室)や日本庭園の復元に向けた聞き取り調査、観光資源としての活用方針の検討を進めていて、年度内に全体像をまとめる考えだ。
岩内町高台の岩内神社参道沿いにある含翠園は、初代岩内町長を務めた豪商・梅沢市太郎が所有した別荘の一つ。1920(大正9)年ごろに建設されたW造、平屋の家屋、1897(明治30)年から1913(大正2)年ごろにかけて造成した日本庭園で構成する。
15年度に都市公園に指定して町管理に移行したが、家屋の老朽化が著しく、庭に枯れ木が放置され、薄い金属製の塀が景観を損ねているなど問題点を抱えている。このため、町の歴史を伝える貴重な施設として、保存に向けた整備に取り掛かる。
19年度は、過去の住民や保存状態の良かった当時を知る人物らから聞き取り調査を実施。また、観光資源としての利活用方法などを探っていて、これらを基本計画としてまとめる。
検討段階だが、工事内容として家屋の保存修復や日本庭園の手入れ、塀の取り換え、観光表示案内の追加などが候補に挙がっていて、軽微な工事は20年度に実施したい考えだ。
(北海道建設新聞2020年2月6日付13面より)
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