深掘り

 地域経済の成長には、新たな技術シーズを生み出すだけではなく、その技術を発展させたビジネスの創出が欠かせません。〝勝ち〟にこだわる経営者らの発想やアイデアを紹介します。

深掘り 北海道生コンクリート工業組合青年部 岡本敏秀部長

2020年02月10日 08時30分

岡本敏秀部長

他業界と連携する“練り屋”に

 北海道生コンクリート工業組合の青年部が昨年、13年ぶりに復活した。人材育成と企業間連携をメインに生コン業界の活性化を目指している。岡本敏秀部長に組織への思いを聞いた。

 ―青年部発足の目的を。

 もともと道工組の青年部は1996年につくられ、2006年まで活動していた。その間は生コン業界全体が苦しい状況にあり、青年部としても活動しにくい雰囲気だったと聞く。そんな中、道工組の設立40年を契機に青年部復活の話が出た。業況が少しずつ落ち着いてきたのも要因だ。全道から6人が準備委員会に選ばれ、19年4月から再始動した。今は9人で活動している。

 ―取り組みたいことは。

 セメントメーカーの直系工場と違い、地域の中小企業が営む生コン工場は横のつながりが薄くなりがち。親会の道工組の幹部はまだまだ現役が多いため、僕らのような世代が顔を合わせることはほとんどない。青年部の活動を通し、人脈の枝葉が広がればと思っている。

 全国では西日本を中心に青年部が組織されている。昨年は福岡、一昨年は島根の全国大会に参加させてもらった。他地域との付き合いができれば、人材交流など活動の幅は広がると思う。

 会員9社という少数精鋭のフットワークの良さを生かし、工場で働く人の能力向上や交流なども促したい。生コンを打設している現場を見学させてもらい、ユーザー(ゼネコン)から声を聞くのも有意義だと思う。

 青年部だから取り組みやすいこともあるはず。親世代は地域のしがらみなどから、取り組みにくいことがある。子どもたちや学生に生コン業界のことを知ってもらう活動は、青年部の方がしやすいだろう。

 ―他の業界との連携を意識する理由は。

 砕石会社にとって生コン会社はお客さん。だが、そうした垣根は不要だと感じている。生コンも砕石業界も一緒だという流れが持てると、互いに助け合える関係性が強まるはず。資材という大きなくくりでは生コンも砕石も同じ。生コン会社は砕石と砂、セメント、ユーザー、ミキサー車、ポンプ車があって初めて成立する。素材に品質管理や技術のエキスを加える、いわば〝練り屋〟だと思っている。そのためにも連携を深めたい。

 ―人材確保について。

 札幌生コン協同組合の工場は第2と第4土曜日が休所しているが、地方は工場数が限られることから難しいようだ。しかし、休める環境をしっかりつくり上げないと、なかなか人は集まらないと思う。魅力のある業界にすることで人は集まるはず。生コン工場の技術者は専門職のため、業界内をぐるぐる渡り歩く傾向が強いのも実情だ。

 ―今後の抱負を。

 現状の会員9人は活動する上ではちょうど良い規模だが、今後は地方の生コン会社とどう交流するか考えたい。実際、青年部をきっかけにミキサー車を地域間で融通し合うといった動きも出ている。今までは自社のキャパシティー(事業範囲)でミキサー車を探していたが、青年部を窓口とすることで、キャパを超えた車両の確保が実現した。親会を助ける組織として活動したい。(聞き手・佐藤 匡聡)

 岡本敏秀(おかもと・としひで)1969年10月、札幌市生まれ。92年日大理工学部土木科卒、若築建設入社。95年に家業の岡本興業(本社・札幌)へ戻り、98年から茨城事業部で勤務。2013年に専務へ昇格し、18年4月副社長に就く。

(北海道建設新聞2020年2月7日付2面より)


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