厩舎建て替えを継続 特別観覧席など設置も
帯広市は、ばんえい競馬運営ビジョンの見直し案をまとめた。北海道の文化的な遺産や地域を盛り上げる財産として、世界で唯一帯広にしかないばんえい競馬を今後も存続させていくため、帯広競馬場[MAP↗]の環境整備などを通じて収入や来場者の増加を図る方針。老朽化が著しい厩舎(きゅうしゃ)の建て替えを継続していくほか、来場者の満足度向上に向けた施設充実も検討している。
このビジョンは道内4市で主催していた、ばんえい競馬が景気低迷で2007年度に帯広市の単独開催となったことを受け、今後の安定的な継続開催に向けて12年3月に策定。今回は3度目の見直しで、最新の概況や収支見通しを盛り込んだ。
近年の動向を見ると、積極的な情報発信やナイター開催の増加で13年度から継続して発売額が増えており、19年度の売り上げは前年度比11.1%増の約244億円、単年度収支は約6800万円の黒字となった。インターネット投票が大きく増加している。今後3カ年の収支見通しに関しては、毎年度274億9000万円の発売収入、7000万円の黒字決算を目指す。
施設整備では、練習走路改修や装鞍所(そうあんじょ)建て替えなども検討。特別観覧席設置や観光客らが競馬場の裏側を見られる厩舎地区バックヤードツアーの順路整備といった、ファンの満足度向上への施設充実も図る考えだ。
(北海道建設新聞2020年2月13日付9面より)