おとなの養生訓

おとなの養生訓 第177回「感染防止」 十分な睡眠、栄養補給を

2020年02月14日 09時00分

 新型コロナウイルスが世界的に流行し、日本でも患者が出て、大きな問題となっています。日本では、流行といえる状況にはないと思われますが、予断を許しません。危険性はかなり低いと考えられますが、海外では肺炎を発症して亡くなる人も出ています。死亡率はインフルエンザより高いという指摘もあり、厳重な警戒が必要です。普段からウイルスに感染しないように予防に心掛ける必要があります。

 新型コロナウイルスが伝染し感染を起こす経路は、飛沫(ひまつ)感染と接触感染といわれています。飛沫感染とは、ウイルスに感染した患者がせきやくしゃみをすることで、ウイルスを含んだ唾液や鼻水の飛沫が周囲にまき散らされますが、これが空気中を漂っているうちに、他の人が飛沫を吸い込むことで感染するものです。飛沫が他の人の顔や衣服などについて、それが口や鼻に入り込むことも考えられます。

 飛沫感染を防ぐには、患者がマスクをすることが重要です。まだ、感染していない人がマスクをしている場合は、ウイルスが小さいため、マスクをすり抜ける危険性が否定できません。しないよりは効果があるとは思いますが、過信は禁物です。飛沫はせきやくしゃみをしても、1mより遠くには届かないと考えられますので、直接せきやくしゃみを浴びない限り危険性は低いと思われます。

 それよりも、接触感染の危険性の方がはるかに高いと思われます。飛沫などで患者の体についたウイルスが、手などを経由して他の場所に移り、他の人がそれに触ってしまい、触った手を口や鼻の周辺に持っていくことで感染が起こるのが接触感染です。

 実際に接触感染する危険性が高いのは、乗り物のつり革や手すり、自動販売機やエレベーターなどのボタン、エスカレーターの手すりなどです。接触感染は手を経由します。ウイルスが手についただけでは感染発症しませんので、ウイルスがついている危険性のある手を小まめに洗うことが重要です。せっけんを使って30秒以上こすり、流水で洗い流すのが効果的です。アルコール消毒を手に行うのもいいでしょう。この場合は15秒以上、よくすりこむようにしてください。

 また、感染を防ぐために、体調を整え、免疫力が低下しないようにしましょう。十分な睡眠と栄養補給を怠りなく。のどや鼻を傷める喫煙は控えた方が得策です。特別ではありませんが、地道な方法の励行が重要なのです。

(札医大医学部教授・當瀬規嗣)


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