4路線に15億円
函館市は2020―25年度で、湯の川地区[MAP↗]の活性化に向けた市道の環境整備に取り組む計画だ。湯浜通、中環状通、温泉通、湯川1―25号線の4路線が対象で、街路灯の更新がメイン。20年度は湯浜通と中環状通を対象に調査、設計を進め、21年度に着工する。20年度予算案には設計費として3000万円を計上し、年度明け早々にも公告したい考えだ。事業費はソフト事業を合わせ15億円ほどを見込んでいる。
湯の川地区では1990年ごろから温泉街の活性化策として街路灯を整備した。以後30年余りが経過し老朽化が進んでいるほか、灯籠型の採用など雰囲気を重視したことで明るさが不十分といった課題がある。
また、ホテル内で飲食や買い物が完結することもあり、観光客が出歩かない状況が続く。
このため、市は街路灯を更新し、夜間でも安心して歩ける環境を整備したい考え。街路灯に加え、歩道のインターロッキングブロックや車道の舗装に傷みが出ていることから補修を計画している。
対象となる路線の延長と幅員は、湯浜通が総延長1170mのうち、函館南茅部線との交点から湯元啄木亭近くまでの340mで幅員は18m。それ以外は全区間が対象で、中環状通は550m、幅員15―19m、温泉通は650m、幅員18m、湯川1―25号線は520m、幅員11mとする。
湯浜通と中環状通は20年度に調査、設計し、21―22年度の工事を見込む。温泉通と湯川1―25号線は22年度の調査・設計、23―25年度(湯川1―25線のみ23―24年度)での施工を想定している。
今回の事業では、道路にイルミネーションなどを施すイベントとして19年度から始めた「湯の川冬の灯り」の拡充も計画。飲食などを連動させたイベントを開催する方針だ。
工藤寿樹市長は7日の定例記者会見で「(温泉付きのホテル建設が相次ぐ)函館駅前の雰囲気とは違った温泉街らしい街並みを整えたい。歩ける道路を造ればホテル街と湯の川商店街を結ぶことができ、商店街にも良い影響がある」と話した。
(北海道建設新聞2020年2月17日付11面より)