夏以降、人手不足顕著
帯広公共職業安定所管内の2019年求人求職賃金動向が本紙集計によりまとまった。管内全体の有効求人倍率が9月から4カ月連続で過去最高を更新し続ける中、建設業でも8月から前年同月を上回る状況にある。ただ、建設業では全業種に比べ、求職希望賃金と求人賃金との差が大きいという傾向が見られるなど、企業側の人手不足を背景に、労働者側の立場が強くなっているようだ。
帯広公共職業安定所が公表する職業別求人・求職・賃金状況から集計。建設業のデータは採掘業を含む。
有効求人倍率を見ると、建築・土木・測量技術者は5月から次第に上昇し、ピークとなった11月には13・5倍を記録。建設業は7月まで毎月、前年を下回るペースだったが、8月からは前年以上の状態が続き、10月には5・93倍に達した。
警備員は10月を除く11カ月で前年の値を超えた。特に高かった7、8、12月は前年同月を約3ポイント上回っており、繁忙期における人手不足の深刻さがうかがえる。
年平均の求人賃金と求職希望賃金の差は、全業種平均がマイナス2964円であるのに対して建設・土木・測量技術者は同3万8997円。
建設業はマイナス2万4093円で、このうち大工・左官は同3万3736円、型枠・とび工は同2万13円、建設・土木作業員は同1万8627円、電気工事・配線工は同1万1665円となるなど、いずれも全業種平均とは大きな差が開いた。警備業は同2962円と全業種並みだった。
同安定所の小岡守産業雇用情報官は、有効求人倍率について「求職者数の減少もあるが、求人数の伸びが大きい」と指摘。また、求人賃金と希望賃金の差については「求人賃金はあくまで下限の額なので、実際は値ほどの差がないかもしれない。ただ超売り手市場だけに求職者側の立場が強いのでは」とみている。
(北海道建設新聞2020年2月17日付9面より)