ひだか南森林組合が大径木を半製品化

2020年02月23日 10時00分

 ひだか南森林組合(本所・様似)は、チップ原料として同組合の工場に運び込まれている大径木を半製品化し、販売を進める方針だ。傷みや曲がりで床材などに使用するのは難しいが、店舗の什器(じゅうき)や棚への活用を検討。注文が入り次第、生産開始する考え。こうした事例は少なく、モデルケースとして注目されそうだ。

店舗の棚や什器などへの活用を促す大径木

 組合では日高管内のうち、海沿いの新冠町からえりも町までで発生する間伐材、林地残材など年間約2万m³を受け入れている。現状はチップに砕き、王子グリーンエナジー江別のバイオマス発電所の原料として主に活用している。

 チップ原料の中には大径木と呼ばれる樹齢60―100年、直径40cm以上の広葉樹が含まれている。しかし、一部が傷んでいたり、芯が寄っている、曲がっていたりするなど、住宅の床材や家具材として販売することが難しいのが悩みの種。これら大径木は年間20m³ほどが運び込まれている。

 組合では工場敷地内に大径木の製材工場がこのほど完成したことから、原木を厚さ4・5cmほどの原板に加工し、半製品化して販売する方針を固めた。

 盛孝雄専務理事は「立派な木なので砕いてチップにするのは惜しい、加工して原板として提供することで、より付加価値を付けることができるのでは」と説明する。

 「ホテルのオーナーから天然木材を使ったカウンターなどを造るために使いたいという話を受けたことがある」といい、内装材として札幌市内をはじめ飲食店、ホテルなどへの売り込みを視野に入れる。

 「カウンターだけではなく、店舗の什器や棚、壁など十分活用することができる。さまざまな要望に応えたい」と話している。(苫小牧)

(北海道建設新聞2020年2月19日付11面より)


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