建築家・隈研吾氏にインタビュー

2020年02月29日 10時00分

北海道の良さ生かした建物造りたい

 東京五輪メイン会場となる新国立競技場を設計した建築家の隈研吾氏が、特別講演会(北海道ファシリティマネジメント協会主催)のため19日に来札した。隈氏に競技場へのこだわりや建築家として大切にする思いなどを聞いた。(経済産業部・富樫 茜)

 ―完成した新国立競技場の印象を。

 海外の人たちからも注目されるものになったと思う。日本には「木の文化」があり、日本らしさを感じられるようにしたいということと、環境の時代は日本がリーダーだということを示したいと思い、木にこだわった。

 ―具体的には。

 47都道府県から集めた木材を活用した。国民全てが参加したという印象を強くしたかった。日本は小さな国だが、北から南まで気候はさまざまで、木を見るとそれが分かることも伝えたい。屋根を支えるのに北海道のカラマツを使い、外壁にもスギを使っている。北海道は木の資源に恵まれている。

 ―本道の魅力を。

 日本の中でも世界の中でも北海道の植生や水、空などを含めた景観は特別な価値がある。もう一つは食で、観光は食が一つの基準になる。北海道の食は世界中にファンがいる。

 ―今後北海道で手掛けたい建物は。

 知っている場所は少ないが、もっと北海道の人と知り合い、一緒になって北海道の良さを生かしたものが造りたい。具体的には景観にうまく調和したり、素材の良さなどが分かる建物だ。北竜町の保育園や標茶町の町営宿泊施設など、いくつかの自治体の建物を手掛けている。

 ―建築家として大切にすることは。

 地元の人とよく知り合い、一緒に造ることを大事にしている。仲間意識が生まれることで、完成後も皆に好かれる建物になる。皆が使って喜んでくれるのが一番うれしい。手掛けた建物はどれもわが子のようなものだが、北海道で初めて手掛けたLIXIL住生活財団の共同研究施設「メムメドウズ」(大樹町)は特に印象的だ。

 ―道内の若手建築家へのメッセージを。

 これからの建築は、その場所とどのようにいい関係をつくるかが重要になる。場所の選定もそうだが、木材や石、土など周りの自然素材をどう使うかというのも欠かせない。地球環境に対する負荷が少ないため、自然素材を使った建物は今後注目されるだろう。

 北海道は世界から注目されている場所で、知名度が上がっている。北海道を背負って頑張ってほしい。

 くま・けんご=1954年生まれ。東大院修了。90年隈研吾建築都市設計事務所を設立。これまで20カ国を超す国々で建築を設計し、国内外でさまざまな賞を受けている。

(北海道建設新聞2020年2月25日付2面より)


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