新型コロナウイルスの感染拡大で、社会経済活動にも大きな支障が生じています。小中高校の一斉休校、外出自粛要請、事業所での時差出勤、テレワークなどの実施、さらに事業所の一時閉鎖にまで至るところもあります。大規模な音楽イベントは中止、スポーツイベントは無観客開催となっています。そんな中で、外食をどうするかが、大きな問題となりつつあります。
すでにホテルなどでの大規模な宴会は次々中止に。折あしく歓送迎会シーズンを直撃し、レストラン、居酒屋などもキャンセルの嵐です。これまでの報告で、大人数の宴会やライブハウスでの集団感染事例があり、自粛はやむを得ないと考えます。
では、少人数での会合や商談などはどうでしょうか。こうしたものも一律に自粛の方向性になっていますが、どうしても必要なものもあるでしょう。私の考えでは、十分な感染対策を取ることができれば、小規模の会合を自粛する理由はないと思われます。
この時期の会合開催の条件を上げてみます。まず、大人数でないこと。この大人数は、不特定多数の人が会う状況を避けるという意味です。さらに、食器を経由しての接触感染の危険性が高いビュッフェ形式、立食形式としないことです。なので、料理は銘々に出され、箸やスプーン、ナイフ、フォークが共用されないようにします。
宴席は密閉空間でないことが望ましいのですが、狭い小上がりや個室の場合は、換気に気を配ることです。カラオケは、マイクを通しての接触感染の可能性やカラオケボックス自体が密閉空間なので、避けた方がいいでしょう。スナックなどでのカラオケは、マイクの消毒をたびたび行えば、危険性はかなり減ると思われます。
そして、とても大事なことは、せき、たん、鼻水、くしゃみ、頭痛、発熱などの症状があったら、軽症でも会合に出ないことです。逆に言うと、全く症状がないのなら、会合に出てもいいことになります。なので、会合は知り合い同士で互いに症状がないことを確認できれば、開催してもいいということです。
会合の自粛はススキノを直撃しています。店を閉めてしまったところも多くなっています。何とか、被害が最小限で済んでほしいと願っています。
(札医大医学部教授・當瀬規嗣)