電設資材卸のエミヤがHD体制に

2020年03月30日 09時00分

4事業部を独立 トップは全員40代

 札幌の電設資材卸、エミヤが23日、持ち株会社に移行した。同日付で「エミヤホールディングス」に商号変更し、これまで社内に4つあった事業部をHD傘下の4事業会社として独立させた。今後は独自性を持って経営戦略を立て、収益力を高める。事業会社トップは全員40代で創業家以外の出身。体制刷新には幹部社員に経営者としての経験を積ませ、将来のグループ経営の担い手を育てる狙いがある。

 事業会社として新設したのは、主に電気工事会社向けに資材を販売する「エミヤエレクトロニクス」、工場や大型小売店など電気工事会社以外の取引先を担当する「エミヤソリューション」、釧路、苫小牧、函館を事業エリアとする「エミヤエリアパートナーズ」、介護事業の「エミヤライフケア」。全社がHDと同じ札幌市白石区流通センターに登記し、今までの顧客との取引はそのまま引き継ぐ。4社の社長は45―48歳で、旧エミヤの部長クラスから抜てきした。

三神社長

 エミヤの会社設立は1947年で、HD社長の三神司氏(60)は創業家の3代目にあたる。社員数は約140人。三神社長が「会社は三神家のものではなく社会の公器。今後は社員が経営を引き継ぐ組織にしたい」と方針を打ち出し、数年前から経営感覚を持つ社員の育成を始めた。

 2012年、翌年から3年間の中期経営計画を作成したときには、「ジュニアボード」と呼ばれる若手や中堅社員による疑似取締役会をつくり、立案を任せた。16年からの第2期計画も同様に社員主導で策定。17年からは部門ごとに生産性が明らかになるよう事業部制を取り入れた。

 新体制では、HDは持ち株会社であると同時に、全社に共通する管理部門や物流部門を受け持つ。人事についてはHDがグループの全従業員を雇い、事業会社に出向させる。三神社長は各事業会社の会長職に就いた。ホールディング体制としたことで、将来のM&A(吸収・合併)によるグループ拡大も視野に入れる。

 エミヤの売り上げ規模はここ数年90億円台で安定している。バブル崩壊後一時60億円台まで縮小したが、その後の営業強化で持ち直した。三神社長は「地域に必要とされる企業として永続できるよう、社員全員が知恵を絞って、全員で経営する企業を目指したい」と話している。

(北海道建設新聞2020年3月27日付2面より)


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