弱酸性次亜塩素酸水と水フィルター掃除機で感染対策
ビルメンテナンスの三和サービス(本社・札幌)は、子どもからお年寄りまで安心して使うことのできる弱酸性の次亜塩素酸水「CELA(セラ)」を製造している。濃度が50ppmと市販のものより低く、酸性値6.5と体液に近いため、十分な除菌・消臭効果を発揮しながら安全に使うことができる。超音波式の加湿器で噴霧すれば空間を除菌・消臭可能。さらに水フィルター掃除機「Sirena(シレーナ)」との併用で、ノロウイルス感染対策に効果的と勧めている。
セラは次亜塩素酸系の除菌・消臭剤。市販されている次亜塩素酸水の多くが濃度200ppmほどなのに対し、セラは50ppmと低く、食品添加物として厚生労働省が定める成分規格に収まっている。長期保存に優れ、太陽の光を遮る環境下なら1年以上持つ。
弱酸性水のため、子どもが使うテーブルやおもちゃの除菌用に使っても安心。独自の製法でpH(水素イオン指数)領域など品質を安定させ、製品の個体差が小さい。電解水や混合水に比べ、さびが発生しにくいのも特長だ。
通常なら携帯しやすい100や300㍉㍑のスプレーボトルを用意するが、いずれも最近の新型コロナウイルス感染症の関係から品切れ状態にある。現在は事業所向けにラインアップする4㍑や20㍑の詰め替え用シリーズをメインに提供。超音波式加湿器や噴霧器に入れて使うことで、社内や現場事務所内を広く空間除菌できると勧めている。
札幌市内で自社製造する。メーカーとして安全用品会社などに卸すほか、ホームセンターの一部店舗で扱っている。価格は4㍑ボトルで1800円(税込み)ほど。
水フィルター掃除機の「シレーナ」に入れて使えば、ノロウイルスの感染対策になると自信を見せる。フィルター代わりに水3・5㍑を入れて使う掃除機で、目詰まりがないため効率よくごみや汚れを吸い上げる。
同社では水代わりにセラを使うことで、ノロウイルス対策の肝となる嘔吐(おうと)物処理を適切にできると考えている。ホースはステンレス製で、液体を吸い上げてもさびない。ホテルや病院、老人福祉施設などに売り出し、反応は上々だという。
次亜塩素酸は白血球が細菌を殺す際に発生する成分で、50ppmの次亜塩素酸水でウイルスを不活性化させるとの文献があるという。その上で、空調機器に噴霧をしたり加湿器のタンクに混ぜたりして使えば、大型クルーズ船での集団感染は防げたのではないかと示す。
三和サービスの阿部真人社長は「当社のビルメン部は世界基準のライセンスIICRCを持っている。プロのクリーナー集団としてセラとシレーナを強く勧めたい」と話している。
(北海道建設新聞2020年4月10日付3面より)