札幌総合卸センター跡地で進める北6条東2、3丁目両街区の施設概要と整備スケジュールが出そろった。2丁目街区では大京、京阪電鉄不動産、ミサワホーム北海道の3社共同体と大手カタログ通販のベルーナが、ホテルやマンション2棟を開発。2021年から順次着工する見通しだ。3丁目街区は社会医療法人社団カレスサッポロが医療センターを核に商業などの機能を持たせたビルを検討し、22年の着工を予定。25年の全面完成を目指す。
札幌総合卸センターの跡地再整備計画は、東4丁目街区の新ビルが1月に開所し、組合員16社の移転を終えたことで本格化する。空きビルとなった2、3丁目街区では、施設建設に向けて敷地売却の手続きや解体が進んでいる。
東2丁目街区 ホテルとMS 21年から着工
2丁目街区は、敷地北東側でベルーナが30階の延べ約2万8500m²のホテル新築を計画。高さは約100mとし、客室は330戸で下層階に店舗を置く予定だ。同社として札幌市内初出店となる仮称・札幌ホテル(南3条西8丁目)を21年2月、2店舗目の仮称・札幌すすきのホテル(南5条西2丁目)を同5月に開業予定で、道内でのホテル事業を強めている。
同じ街区で3社共同体が手掛ける高層マンションは南西側にA棟、南東側にB棟を新築する。どちらも規模は21階の延べ約1万8700m²、220戸で計画。近くに都市公園やシンボルツリーを配置するなど、30年の北海道新幹線札幌駅開業を意識した開発に取り組む。
東3丁目街区 医療センター 22年に着工へ
東3丁目は社会医療法人社団カレスサッポロが敷地を取得。札幌市内にある時計台記念病院と北光記念病院を統合した仮称カレス医療センターを新築する。オフィス棟を合わせた2棟構成で、計延べ約5万m²の規模。敷地東側に設ける10階建ての医療センターは全室個室の入院施設のほか、最上階に障害者や人工透析患者らが利用できる40室のホテルなどを構想する。
東2、3丁目街区はそれぞれ20年度から都市計画審議会への諮問などを経て、順次着工する考え。両街区の周辺では、帝国繊維(本社・東京)が北7条東1丁目1の1にあるサッポロテイセンボウル・テイセンホール跡地(約8600m²)で新施設を計画するほか、札幌市と民間事業者が北5東1街区で再開発の事業化に向けて検討を進めている。
札幌総合卸センター跡地開発を受け、日本不動産研究所の担当者は「従来よりも人が集まるようなエリアになり、地価が上昇する」と予測。その上で新幹線駅を盛り込んだ大規模再開発の計画がある北5西1・西2街区と北5東1街区を上空デッキなどで結べば、創成川東エリアのさらなる活性化につながると話している。
(北海道建設新聞2020年4月20日2面より)
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北海道建設新聞2020年4月20日付2面では、東2丁目街区、東3丁目街区で予定している施設整備の規模、工期、開業予定を表形式で掲載しています。本紙のご購読についてはこちらのページからお問い合わせ下さい。