札幌市の2019年度下期(10―3月)企業経営動向調査によると、市内の景気判断指数(BSI)は全業種平均でマイナス27・9と、3期ぶりに上昇した19年度上期(4―9月)を16.7ポイント下回り、再び下降に転じた。売上高判断と経常利益判断は下降し、従業員数判断は上昇している。20年2月時点の調査のため、新型コロナウイルス感染拡大の影響は一部にとどまるが、市では「3月時点で既に大きな影響を受けており、その後休業要請などもあったため、さらに影響は大きくなっていく」とみている。
市内に事業所を置く企業や団体2000者を対象に20年2月に調査し、52.1%に当たる1042者から回答を得た。BSIは前期に比べ「上昇」したと判断する企業割合から「下降」したとする企業割合を引いた指数。
業種別に見ると、建設業はマイナス15・2。下げ幅は15.8ポイントで上期のプラスからマイナスへ転じた。上期に大きく改善した飲食・宿泊サービス業は、新型コロナウイルス感染症に伴う外国人観光客減少などの影響を受け38.2ポイント縮小のマイナス50とした。
このほか、製造業は16.3ポイント悪化のマイナス25・2、小売業は14.3ポイント下降のマイナス40・7、金融・保険・不動産業は13.7ポイント下落のマイナス23・2など全業種で下落を示している。
また、経営上の問題点では人手不足が49.3%となり、6期連続で最多となった。以下は諸経費の増加が43.2%、収益率の低下が35.2%で続く。
消費税引き上げの影響に関する設問を見ると、悪影響を与えたが27.3%、影響はなかったが52.4%を占めた。悪影響の要因は「増税後の販売数量(需要)の減少」が約6割に上っている。
20年度上期の見通しは、全産業平均でマイナス21・9と改善を見込んでいるが、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあることから先行きは不透明な状況だ。