縄文遺跡を保存・活用 見学路整備や駐車場拡幅など想定
千歳市は2020年度、キウス周堤墓群[MAP↗]の整備基本計画を策定する。世界遺産登録による来場者増加を見据え、歴史・文化的な価値が高い史跡を保存し有効活用を図るもの。駐車場拡幅や園路整備、ガイダンス施設建設などを想定しており、夏に設置する検討委員会の話し合いを基に整備内容を固める。
中央2777ほかにあるキウス周堤墓群は、縄文時代に造られた北海道固有の集団墓。大規模な周堤墓が群集し、1979年には周堤墓8基など4・9㌶が国の史跡に認定された。
また、縄文時代の遺跡を持つ千歳市や函館市など道内5市、青森県、岩手県、秋田県の6市3町は「北海道・北東北の縄文遺跡群」として21年度の世界文化遺産の登録を目指している。
史跡の適切な保存、公開の方針や活用方法を定め、多くの人に見てもらおうと、19年度から保存活用計画の作成に着手。計画期間は20年度から10年程度で、ことし秋に取りまとめる見通し。整備基本計画の策定業務については早ければ6月に発注する。
現在の駐車場はバス2台、乗用車30台分の広さで、春から秋までは仮設トイレを設置。園路にはウッドチップを敷いている。ただ、世界遺産登録に伴う見学者増加を見据えると、周堤墓を見学しやすい園路の在り方を考える必要がある。駐車場やトイレについても同様で、どのような受け入れ環境が適切なのか計画内で示す。
このほか、長都42の1に位置する埋蔵文化財センターがガイダンス施設の役割を担っているが、周堤墓群から7㌔離れている。このため、周堤墓群敷地内に新たな施設が必要かどうかを検討委員会で話し合い、方向性をまとめる。
(北海道建設新聞2020年5月19日付12面より)